俺の彼女の戦闘力は530000
「ぐはぁ!ごはぁ!」
べきぃぃぃ!!
「ひぃぃ!もうやめてくださぃぃぃ!」
バキバキと人体の一部が砕け散る音を立てながら、男共は叫び声を上げる。
血飛沫が舞い、辺りは地獄と化していく訳だが……俺には最早どうする事も出来ない。
何故ならこれは、カツアゲされていた俺を助ける為に彼女がやってくれてる事だからだ。
「あなたたち…前に吾郎くんに手を出したらどうなるか、教えましたよねぇ?」
1人の女の子が、俺の目の前でボロボロになった筋骨隆々の男の胸ぐらを掴み、不敵な笑みを浮かべている。
ちなみに彼女はめちゃくちゃ美人だ。
彼女の笑顔を見た男は皆、頬を赤く染め上げてきた。
だが中には例外もあり、違う部分を染め上げていく者達がいる。
まさしく、彼らがそうだ。
ジョワアァァァァァァ……
胸ぐらを掴まれている男はあまりの恐怖に失禁してしまった。
無理もない……あれだけ痛めつけられた後に向けられた笑みだ。
とてもじゃないがビビらずにはいられない。
そしてそれは俺も例外ではない。
ジョワアァァァァァァ……
返り血で赤く染まる彼女の笑顔に、なんと助けてもらっている俺も失禁してしまったのだ。
ズボンからは湯気が立ち、アンモニア臭を放ち始めている。
くっ……我ながらなんて臭さだ。
普通なら男として、あまりの情けなさに泣きたくなってしまう所だが、俺は泣く事はない。
もう慣れてしまったからだ。
「ずみまへん…も、もう二度とじないとで許し…」
「ふふふ、どうしましょうか?(にっこり)」
「ひっ!」
彼女の満面の笑みに男の顔面は真っ青になる。
なるほどな、彼女の笑顔を見た男は頬か赤く染まるか、ズボンが尿で染まるかのどちらかだと思っていたのだが……頬が青くなる事もあるのだな。
覚えておこう。
「吾郎くん、どうしますか?私としては後15発程殴らないと気が収まらないのですが……」
まだ全然気が収まっていない女の子。
胸ぐらを掴まれている男は全身ボッコボコの血塗れだ。
右腕と左足は変な方向を向いており、顔も腫れ上がっている。
恐らく、後2.3発も喰らえば死に至る可能性すらあるだろう。
流石に止めない訳にはいかない。
「も、もう十分じゃないか?多分、そいつらも反省してると思うし……」
俺の言葉を聞いた男は首を全力で縦に振る。
後15発殴られるか、許してもらえるかの瀬戸際だ。
文字通り、藁にもすがる思いだろう。
そんな中、俺の静止の言葉を聞き入れるかどうかは彼女次第ではあるのだが……基本的に彼女は俺の言葉を受け入れてくれる。
何故なら彼女は俺が大好きだからだ。
「吾郎くん、こんなゴミクズにまで慈悲を与えるだなんて……ああ、あなたはなんて優しい人なんでしょうか……」
俺の言葉に涙を流す女の子。
ボロ雑巾の様に横たわる不良達に、手足が変な方向に向いて血塗れになってる男……この有り様を見れば誰もが止める事だろう。
文字通り、血が通っていればの話しだがな。
「吾郎くんの優しさに免じて今回はこれくらいで許してあげますが……次やったら、これ以上の苦しみを与えてあげますからね?」
「ひぃぃぃ!!」
彼女の言葉にビビり散らす筋骨隆々の男。
これ以上は「死」しかない気もするんだが……今回もなんとか踏みとどまってくれて良かった。
彼女の名前は覇堂冬香。
見た目の可憐さと裏腹に圧倒的な武力を誇り、笑みを浮かべながら冷酷に体を破壊し、丁寧な口調で不良達に絶望を与える様からついた渾名は「フリーザ様」
そしてこの俺、孫原吾郎とお付き合いしている超絶怒涛の最強彼女である。




