第3話・日常茶飯事のその裏で~騎士団長の眉間には皴、寡黙な青年は感慨もなく~
第1章 戦う女神の選んだ巫女姫
第3話・日常茶飯事のその裏で~騎士団長の眉間には皴、寡黙な青年は感慨もなく~
一大事。と告げて皇女付きの女官兵がファンの執務室を訪れたのは、昼を少し過ぎた頃。この時点でファンの眉間には皺が1本刻まれた。
活発と言うにはお転婆過ぎる主に合わせて、機能的な造りのドレスに、簡単な武装をした女官兵が3人。
1人を先頭に、2人が少し下がって左右に跪く。
「またか」
告げた時には眉間の皺が2本に増えていた。
ディアス・ラーシア・ファーン=フロークス。
古くから続く名門侯爵家の嫡子で、幼いころから城に上がり、ジャンヌたちの遊び相手兼学友兼護衛として常に傍にいた。
15歳で正式に騎士として叙任されて以降は、ジャンヌ専属の護衛騎士団に配属され、昨年からは団長も務めている。
つややかな銀髪に彩られた面は整いすぎていて冷たく感じる。
しかも眼差しがきついため、本人的には普通に視線を向けただけで、相手は睨まれていると感じてしまう。
その赤い瞳にじっと見られた日には、蛇に睨まれた蛙状態になる者が続出した。
「「「申し訳ございません。またでございます」」」
麗しい美女が3人。
高い声で告げると眉間の皺も3本に増えた。
「「「姫様が。ジャネット皇女がまたしても城を抜けられました」」」
報告に溜息を漏らす。皺は4本。
「交代時間の隙を衝かれたか……」
口の中で吐き捨て、部屋に居たもう1人に視線を向ける。5本目。
ずっとそこに突っ立って一緒に報告を聞いていた大柄な男は、何の感慨もない様子で、静かにその鋭い視線を受けた。6本。
「すぐに捜索の兵を出す。クロード。我々も出るぞ」
言われて大柄な男、クロードは無言で頷く。
クロード=トレーニアは幼いころに家族を亡くし、神殿の孤児院で育った。
短めに切った緑の髪と檸檬色の瞳をした寡黙で無表情な青年。
しかも強面で大柄なため、初見の相手は思わず恐れる。
ちなみに拾い癖があって、しょっちゅう野良猫やら野良犬、小鳥などの小動物を拾ってきては里親探しに苦労している。
人間の子供を拾ってきたことも2度ほどあり、そのうちの1人がリオンだ。
女官兵を持ち場に戻らせて、2人は連れ立って皇宮を出た。
ご覧いただきありがとうございます。
眉間に皺を刻む騎士団長ファンと、寡黙な武人クロードという、新たな仲間が動きました。
皇女ジャンヌの脱走は日常茶飯事ですが、今回はただの遊びではありません。ファンとクロードはジャンヌたちを見つけられるのか、そして彼らの「決行」の行方は――
【この後、初日連続投稿の最終話です!】
本日は、この後約40分間隔で第1章 第4話が投稿され、初日の連続投稿は完了となります。物語がいよいよ大きく動き出す展開となりますので、どうぞ最後までお付き合いください!
【今後の連載スケジュールについて】
明日以降は、毎日22時に1話ずつ更新予定です。
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【本作は第1部まで執筆完了済みです。よければ最後までお付き合いください。】
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ノリト&ミコト




