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終 章 ・代償と休息と~夜闇に光るはいにしえの~

終 章 エスパルダ聖皇国史・赤き焔(レッド・フレイム)の呪い



           代償と休息と~夜闇に光るはいにしえの~



赤き焔(レッド・フレイム)の呪い』



 聖皇国歴31446年。


 ツイーディ・ニウム・バリエガム帝の御代。


 エスパルダ聖皇国の皇太子・ヴィーフラ・ホスター・アストラント。

 皇太子妃・シンディ・アイベル・カーミラティア=ガー・ブライトを含む多くの犠牲が出る変事が起こった。


 皇太子夫妻の子である皇女・ジニア・プローフ・ジャネット。

 皇子・カルロス・グラジオス・ジョーンも被害を受ける。


 この時起こった変事は、後に、『アーグと名乗る魔族の襲撃であり、皇子・カルロス・グラジオス・ジョーンがその呪いを受けて、以降5年もの間、一度も意識を取り戻すことなく眠り続けていたのだ』と明かされた。



 聖皇国暦31451年・秋。


 皇女・ジニア・プローフ・ジャネットは皇都・アンシェの主神殿に安置されていた神剣と契約を結び、魔族・アーグの討伐に()つ。


 この時、皇女、皇子両名の幼馴染であり、当時、ジニア・プローフ・ジャネットの護衛騎士団長を務めていたディアス・ラーシア・ファーン=フロークス。

 同護衛騎士団の一員で、神殿護衛官でもあったクロード=トレーニア。


 また、皇女と友好を結んでいた孤児・リオンと言う、赤髪の青年が同じく神剣の使い手となり、皇女に協力。

 共にアーグ討伐に尽力した。



 魔族・アーグは赤い(ほのお)を自在に操る高位魔族で、呪師(じゅし)の家柄の子供たち13人を誘拐。

 蠱毒(こどく)の呪いにかけて魔剣を作り出した。


 また、別にもう1人、神官呪師(しんかんじゅし)の見習いをしていた、アインと言う少年を攫い、その場に居合わせた皇宮呪師(こうぐうじゅし)・インス=ラントが阻止を試みるも失敗。重傷を負う。


 アーグに利用されたアイン少年も重傷を負い、2人は生死の境を彷徨うも、奇跡的に一命をとりとめる。


 5年前の襲撃時とは異なり、この時の死者は、蠱毒の呪いに使われた子供たち13人だけであった。



 魔族・アーグの討伐を成した皇女・ジニア・プローフ・ジャネットは、弟である皇子・カルロス・グラジオス・ジョーンの呪いを解くことに見事に成功。


 聖皇国はその後、この一連の事件を『赤き焔(レッド・フレイム)の呪い事件』として公表した。



                        エスパルダ聖皇国史より抜粋



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 皇都・アンシェの主神殿。



 そこはエスパルダ聖皇国すべての神殿を統括し、教皇・ステラ=シアスを頂く最高神殿。


 皇都には皇宮があり、そこにも分殿として神殿があるため、皇宮内で起きた怪我や病気などは基本的に皇宮内神殿の医務殿で治療を受けられる。


 だが、あまりにも酷い怪我や病気の場合、患者は主神殿に転院されることになる。



 皇宮内神殿の医務殿は一次治療には優れているが、重症者の治療には主神殿の方が人員も設備も揃っているためで、インスもまた状況を確認した皇宮内神殿の医呪神官(いじゅしんかん)・ウスニー=メンテの指示の下、主神殿の医務殿に移されていた。



 同じように、アーグに操られ、自らの胸を刺すことになってしまったアインと、神剣の力を使いすぎたことによる疲労で眠ってしまったリオンも、主神殿の医務殿に運び込まれて診察や治療を受け、アインはそのまま入院。

 緊急手術の後、集中治療を受ける。



 神官呪師は、白魔法による治癒が可能である。


 けれど、その治療には()()()()()()()()であるということは、あまり知られていない。



 白魔法による治療と言うのは、患者自身が持っている治癒力を活性化させ、怪我や病気の治りを早めるもの。


 だから、患者の体力や、生命力、治癒力そのものが必要で、それらが衰えている者に魔法をかけてもあまり意味がない。



 怪我や病気が治っても、代わりに命を落とすことになりかねないため、治癒魔法の使用は慎重な判断が求められる。


 だからこそ、神殿は医療を発展・進化させることに積極的であり、たとえどれほど懇願され、罵倒されても魔法による治療を拒むことがあった。



 今回、インスとアインは共に魔法による治療は不可能な状態。


 特にアインの方は、いつこと切れてもおかしくない状態で運び込まれていて、初見した医師が絶句したほど。


 逆に、インスは酷い怪我はあらかた治療されていて、凄惨な状態とは裏腹、魔力切れの状態であるにもかかわらず、無理やり魔力を奪われたことによる生命力の枯渇。

 それによる意識不明が続いていた。



 一方。ジョンの部屋に駆け込んだジャンヌも、ジョンが意識を取り戻したことに大泣きして、そのまま眠ってしまう。


 ジョンの方も、ずっと眠り続けていたせいで、長時間活動できるほどの体力がなくて、一緒に眠ってしまった。


 ただ、これまでとは違い、すぐにまた目を覚ましてくれるだろう。との安堵があるため、見守る人々の表情は穏やかだ。



 ジャンヌを引き取って、部屋に運んだファンは一連の事態を皇帝陛下に報告。


 ねぎらいの言葉を受けた後に帰邸し、いったん休憩しようとベッドに入る。


 しかし、自覚していた以上に疲労していたようで、目が覚めたら2日も経っていて驚いた。



 同様に、クロードも2日ほど寝込み、リオンは3日間眠り続けることとなる。


 ジャンヌに至っては1週間も寝込む羽目になったが、その寝顔は始終穏やかなものであった。



 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 眠るジャンヌたちの傍らには、今もまだ神剣が置かれている。


 その神剣が、夜ごとかすかに光を放っていることに、気づいた者はいない。



 それは、次なる変事の知らせか。


 それとも女神の祝福か。



 答えを知る者はまだ誰もいなかった。





 姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~


                   第1部「レッド・フレイムの呪い」(完)

ご覧いただきありがとうございます!


第1部「レッド・フレイムの呪い」完結御礼!


本日で、『姉姫様は魔族を斬りたい! 』第1部が完結となりました。


毎日22時の更新を楽しみにしてくださった皆様、本当にありがとうございました!


ジャンヌは長年の悲願であった弟・ジョンの呪いを解くことに見事に成功!物語は一つの大きな区切りを迎えました。


激戦を終えたファンたちも皆、ホッと一息、疲れを癒す時間を取れていましたね。


しかし、終章の最後で暗示されたように、彼らの物語はまだ終わりではありません。 ここで皆様に、次なる展開に関するお知らせがございます。


【今後の投稿スケジュールについて】


次回は、12月23日(火)22時より、番外編連載スタート!


本編第2部の開始を待つ間、新しい連載を開始いたします。


タイトルは


【皇宮呪師は護りたい! 聖皇国列伝秘聞① ~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~】


です!


主役は、本編の裏側で死闘を繰り広げた皇宮呪師インス=ラント。


本編では語られない、もう一人の天才の苦悩と再起を描く、第2部へと直結する物語です。


23日より【毎日22時】に更新してまいりますので、本編とあわせて「姉姫様」の世界をさらに深くお楽しみいただければ幸いです!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


第1部を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。 皆様からのブックマークや評価、感想の一つ一つが、執筆の何よりの原動力です。


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


ジャンヌたちの物語は、まだまだ続きます。 まずは23日、番外編の幕開けにてお会いしましょう!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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