第5話・眩き刃《ひかり》は貫いて~ぬくもり宿す宝石《あお》を手に~
第6章 導く光~そして…~
第5話・眩き刃は貫いて~ぬくもり宿す宝石を手に~
そこに居たのは光。
ジャンヌの持つ神剣から現れたのは、淡い金髪と澄んだ青い瞳の女天使。
ファンの神剣から現れたのは、太い緑の髪と落ち着いた青い目の男。
リオンの神剣から現れたのは、炎を纏い、紅の巻き毛とオレンジ色の瞳孔を持つ蒼眼の女。
クロードの神剣から現れたのは、輝くような白髪で緑の目をした黄色い鱗と鰭を持つ女。
光の神剣に宿る意思・ドーン。
風の神剣に宿る意思・ヴィンテ。
火の神剣に宿る意思・サラ。
そして、地の神剣に宿る意思・シス。
彼らの手に生じているのは光の刃。
四色の、輝く光がアーグを刺し貫いた。
アーグの手から歪んだ炎が消える。
噴き出した赤黒い業火も消失し、微かな熱気を残すのみ。
カランと、小さな音を立てて、ジョンの心の宝石だという薄青い宝石が床に転がった。
「…っ!?」
「お待ちください」
大きく目を見張ったジャンヌが駆けだそうとするのをファンが止める。
「…く…くくく…」
四色の光に串刺しにされたアーグの唇から零れたのは笑う声。
「…まさか…」
大きく息を吐いて、血を吐き出す。
「…覚醒、させる。とは…ね…」
心底感心したと言わんばかりの眼差しが、ジャンヌを、ファンとクロード、リオンを見る。
最後に、アインに視線を止めて、ほんの一瞬目を細めた。
すうっと、具現していた神剣の意思が消えていき、同時にアーグに突き刺さっていた光の刃も消失する。
よろめいたアーグの体からは血が流れ続け、傷がふさがる様子はない。
「…お見事です」
ゾっとするほど美しい笑みを浮かべて、それだけ告げたアーグの姿が弾けるようにして消えた。
「…倒せた…のか?」
いまだに神剣を構え、肩を怒らせたままのリオンが、誰に言うでもなく問いかける。
「…おかしな気配は、ないな…」
しばらく辺りの様子を探っていたファンがホッと息を吐き、ジャンヌを促す。
「…っ!!」
パッと駆けだしたジャンヌは、床に転がった薄青い宝石を震える手で拾い上げた。
楕円状で、いくつかのカットが施された透き通る宝石。
ほのかなぬくもりを宿したそれが、ジャンヌの手の中で、一瞬光を宿したように見えた。
「…で、ここ、どこなんだよ?」
ぐったりと座り込んだリオンが肩で息をしながら問いかける。
「…多分、西の廃離宮…」
答えたのは、アインを腕に抱いて外を見たクロード。
崩れた壁から外を見て、中でへばっているリオンと、座り込んで両手で宝石を握りしめるジャンヌを見て、ファンに視線を止めた。
「…救援も来ている」
「「「…っ!!」」」
静かに告げられた言葉で、遠くから近づく声に気付く。
「っ。戻るわ!!」
疲労困憊の体で立ち上がったジャンヌの目に強い光が宿っていた。
ご覧いただきありがとうございます!
第6章第5話は、ついにジャンヌたちは神剣に宿る意思の具現化に成功!
光の神剣のドーン、風の神剣のヴィンテ、火の神剣のサラ、地の神剣のシス。
四色の光の刃が、呪いの魔剣を失ったアーグを貫き、ついに強大な敵を退けることに成功しました!
敗れたアーグは、謎めいた言葉を残し、その場から消滅。
そして、床にはジャンヌの弟、ジョンの心の宝石が転がっていました。
最大の窮地を乗り越え、ひとまずの成果を手にしたジャンヌたちですが、アーグが最後に残した言葉の意味とは?そして、ジョンの宝石を拾い上げたジャンヌが向かう先に待つものは――。
次話もどうぞお楽しみに!
【今後の連載スケジュールについて】
続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!
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【本作は第1部まで執筆完了済みです。安心して連載にお付き合いください。】
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ノリト&ミコト




