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第3話・魔剣、神剣、魔物と化した~戦う理由と守る理由《わけ》~

第5章 セント・ブレイズ~今、誓約を胸に~



     第3話・魔剣、神剣、魔物と化した~戦う理由と守る理由わけ



「ちょっと!何するのよ!!」


 腕を掴まれ、無理矢理引き離されたジャンヌが怒鳴る。


 だが、ファンはアーグを見据えたまま。


 正直、ジャンヌに何を言っても無駄であろうことは分かっているし、言い合いできるほどの余裕はない。


 それが分かっているクロードは、小声でリオンに囁きかけると、ジャンヌたちの前に出て剣を向ける。


 軽く目を見開いたアーグは、すぐに面白そうに口元に笑みを浮かべ、切りかかってきたクロードを()なす。



「ジャンヌ!」


 激しい剣戟が始まると、呆気にとられたジャンヌをリオンが呼び、ちらりと視線を向けたファンに向かって微かに頷く。


 押しやるようにしてジャンヌをリオンに任せ、ファンもまたアーグに切りかかった。


「え?ちょっと!?」


「お前はこっちな」


 驚いたジャンヌが声を荒げるが、その手を掴んで背に隠し、反対の手で剣を構えたリオンはあっさりとそう告げる。


「リオン!?」


「オレたちが前に出ても邪魔になるだけだ」


「それはそうかもしれないけど!!」


 2人が言い合う間にも、幾度も刃が翻り、金属が打ち合う激しい音が響く。


 一見するとファンとクロードが押しているが、その2人を相手にアーグは余裕のある笑みを浮かべたまま。


 交互に、あるいは同時に、切りかかってくる刃を、あるいはその手の剣で受け止め、あるいは軽く身を(ひるがえ)して(かわ)し、ほんの僅かも掠めることがない。


 どころか、受け身に回っていて、攻撃に転じる事さえしようとしていなかった。



 ――遊ばれている。



 それを察して、ファンは苛立たし気に舌打ちした。


 神剣が神剣であることを、ファンはその使い勝手で理解している。


 分かりやすく言うならば、重量と切れ味。


 普段使っているのも両手剣なので、取り回し自体は常と変わらない。


 だが、明らかに重さが違っていて、片手で軽々と扱える。


 そのおかげで、通常の両手剣ではできない動きが可能になっているし、腕にかかる負担は段違い。


 かといって、攻撃力が下がっている訳でもなく、むしろ切れ味は増しているので、ほんの僅かに掠めるだけで、簡単に切り裂くことさえ可能。



 とは言え、当たらなければ意味はない。


 常以上の速さと鋭さで切りかかっているにもかかわらず、アーグは悠々と捌いてくる。


 なのに、攻撃に転じようとしないのは、その隙がないからではなく、必要を感じていないのだろう。



 同じく、アーグが手を抜いていることは理解した上で、クロードは慎重に様子を探っていた。


 魔族は、生きとし生ける者の負の感情を(かて)とする。


 特に、高位の魔族になると、あえて手間暇をかけて不幸を作り出し、そこで生じる深い負の感情を好む。


 神話に語られる赤毛の魔女もまた、享楽に(ふけ)り、怨嗟をまき散らし、争いと嘆きを愉しむとされ、その配下となる魔族たちもまた、混乱を、犯罪を、差別を。


 欲望と誘惑を。


 情念と嫉妬を煽り、増幅させ、増長させるという。


 なら、今アーグが反撃してこないのも、何らかの理由があると考えるべきで、それが自分たちを絶望させるための仕掛けであることは疑いようがなかった。



 ――だが、では一体何を仕掛けているのか?



 その答えが見えてこない。


 長引けば、いずれ痺れを切らして、ジャンヌがリオンを振り切ることはわかりきっている。


 アーグの狙いは間違えなくジャンヌを殺すこと。


 自分たちはおまけ程度でしかなく、恐らくはよりジャンヌを絶望させるためのピースの一つ。


 ソレを待っているのかとも思えるが……だとしたら、とっくに誘い出しているはず。



 結局は狙いがはっきりしないせいで、膠着状態に陥っているともいえた。


「なるほど……大体わかりました」


 ややあって、一つ頷いたアーグが反撃に転じる。


「「……っ!?」」


 ファンの剣を受け流し、クロードを牽制して、すぐさままたファンへと切っ先を向けた。


 受け流された直後に剣を返したファンは、その反撃に一瞬対応が遅れる。


 同じく、ファンが剣を返す隙を作ることを目的として動いていたクロードも、アーグの動きを阻止するのが僅かに遅れた。


 その結果、ほんの僅かに躱しきることができなくて、刃の先がファンの右の二の腕を掠める。


 騎士服の袖を裂いて、その下の皮膚にごく微かに傷をつけた。


「っ!!??」


「ディアス!?」


 生じたのはごく僅かな切り傷。


 もちろん、小さくとも傷を負えば、痛みはある。


 だが、その瞬間に生じた痛みが、傷の浅さに見合わない。


 とんでもない激痛に、絶叫と共に取り落した剣が床を叩いて音を響かせる。


 驚いたジャンヌが声を荒げ、リオンを振り切って駆け寄るが、何が起こったのか理解できない。


 腕を押さえ、蹲ったファンも到底呼び掛けに応えることはできず、必死になって痛みを堪える。


「ほう?失神することも、発狂することもなく踏み止まりましたか……思ったよりも胆力があったようですね?」


 にこやかに言うアーグは既に少し下がっていて、ファンとの間にはクロードが剣を構えて立ち塞がっている。


「一体、何が……」


 どう見てもほんの少しの掠り傷。


 もちろん、掠り傷とはいえ、怪我は怪我なので、痛みがないということはないだろう。


「っ!?まさか、毒!?」


「違います」


 ならばなぜ?と思ったところで、気づいたジャンヌが声を上げるが、あっさりと否定される。


「言ったでしょう?この剣は呪いの魔剣です。と……13人分の子供の負の感情を増幅させているのです。ほんの僅かな掠り傷でも、切り落とされたのと同程度以上の痛みになるでしょうね」


 にこやかに告げられた、その内容に絶句。


 ほんの僅かな掠り傷一つで、相手を戦闘不能にする。


 そんな力は神剣にはない。


 いや。もしかしたらあるのかもしれないが、少なくともジャンヌたちはそこまでの力を発揮させられない。


 絶望的な能力差。


 それを突き付けられて、青ざめたジャンヌは目を見開いてアーグを凝視する。


「ヒッ!?」


 一瞬の後、リオンが恐怖に引き攣った声を上げた。


 驚いて振り返ったジャンヌが見たのは、黒焦げになっていたり、全身を切り裂かれ、首を飛ばされた子供たちの死体。


 それらが立ち上がり、ゆらゆらと危なげに動いている姿だった。


「なん……っ!?」


 驚きに絶句したジャンヌたちの目の前で、子供たちの体は異常に隆起し、徐々に姿を変えていく。


 黒焦げの子供たちは不気味な黒い虫人間に。


 首を飛ばされた子供たちは背が裂けて黒い羽が生えてくる。


 ほんの、瞬きの間に、子供たちの死体から不気味な魔物に姿を変えた。


「せっかくですからね。有効活用しなくては」


 にこやかに告げるアーグを睨む。


「さあ、お手並み拝見と行きましょうか?ディエルの巫女と、その騎士たち?」


 ぱちりと指を鳴らす。


 それを合図に、子供たちだった魔物が一斉に襲い掛かってきた。


「……っ!」


 咄嗟に剣を構えたリオンは、ほんの一瞬、攻撃を躊躇う。



 もともとが生きた人間の子供であったことが分かるがゆえに。


 しかも、彼らが望んで殺し合い、命を失い、そして魔物とされたわけではないと分かるからこその躊躇い。


 だが、感傷は一瞬。


 明確な殺意に、ほんのわずか怖気づいて、それを振り払うように剣を振るう。


「っ!?リオン!!」


 それに思わず反発するような声を上げたジャンヌは、だがリオンの行動の理由も分かってはいる。


「っ!魔物だっ!!」


 ジャンヌが思わず非難するような声を上げた理由を、リオンの方も分かっていた。


 実際に、2人ともこれ以上子供たちを傷つけたくもないのは同じ。


 同時に、だからと言ってむざむざ殺されるわけにもいかない。


 だから、結局はできるのは『魔物』を倒すことだけなのだ。


「っ!?」


 だが、子供たちの狙いはジャンヌたちだけではなかった。


 それに気づいたのはクロードだけ。


 息を飲み、即座に動く。


「えっ!?」


「クロード!?」


 団子状に固まっているジャンヌたちの脇を駆け抜け、子供たちの群れに駆け寄った。


 蹴散らす様に剣を振るいながら、数人の子供たちが固まっている真ん中に手を突っ込む。


「「あっ!!」」


 引き抜かれたクロードが抱え上げたアインの姿を見て、ジャンヌたちも気づく。


 ぐったりとして、意識のないアインにまでも子供たちは群がっていたのだ。


「っ!?」


 次の瞬間、ジャンヌのすぐ後ろで金属がぶつかり合う音が響く。


 驚いたジャンヌが振り返ると、すぐ間近でファンとアーグが刃を合わせていた。


「あなた方のお相手は、そちらだけではありませんよ?」


 すぐに下がったアーグが楽し気に笑みを這わす。


「ディアス!」


 辛うじてアーグの攻撃を受け止めたものの、もとよりすさまじい痛みに襲われているファンにはその場を動くこともできない。


 悲鳴をかみ殺し、冷や汗とも脂汗とも知れない汗を滴らせて、アーグを睨むことでかろうじて意識を保っていた。


「ジャンヌ」


 素早く後退してきたクロードがアーグを引き離すために刃を振るい、同時にアインをジャンヌに押し付けるようにして渡す。


「へっ!?クロード?」


「頼む」


 驚いたジャンヌが反射的に両手で抱き留め、声をひっくり返す。


 クロードは短く告げるとリオンを呼ぶ。


「ジャンヌたちを」


「っ!分かった!」


 ちらりと目を向けたリオンに言い置いて、クロードは剣を構え直した。


「……シス」


 ぼそりと、呼び掛ける。



 地の神剣に宿る意思。


 黄色い土竜(どりゅう)――シス。


 呼び掛けに応えるように、神剣に黄色い光が宿る。


「(地の神剣には、何ができる?その力を最大限発揮して、魔族を滅ぼすことは可能か?)」


『是。しかし否。汝は未だその域に非ず。地の神剣は大地を司り、土を操る力を有す。地属性に当たる力を自在に扱う。しかしながら契約者の権限は神剣の魔力を引き出すのみ。精霊魔法の域を出ず。故に、純魔族に対しての決定打とはならず』


 心の中での問いかけに、神殿の小堂で遭遇した土竜の声が頭の中に響いて答える。


「(魔族を滅ぼすことはできないと?)」


『否。神剣は純魔族を滅する力を有する。しかしながら、汝は神剣の契約者にすぎず。また、我らは使い手たる者の存在を脅かさないためにある。故に使い手の限界を超えてまでの助力はできず』


 ほんの僅か、クロードが目を(すが)める。


 じっと、アーグに注視しながら、心での対話を続けた。


「(……神剣の力を十全に引き出す力が俺にはない?)」


『是。しかし否。汝は誓約者にあらず。故に制限が大きい』


「(誓約者?)」


『神剣と女神に誓約せし者。誓約は『制約』であり絶対の誓い。故に、たがえることはできず、また、たがえる術を持たず。魂魄(たましい)が縛られる』


 アーグが動く。


 それに応じて刃を捌きながら、クロードはシスとの対話を続ける。


 高速で動く2人を、ジャンヌは唖然としながら眺め、リオンは寄ってくる魔物たちを牽制し続ける。


 痛みを堪えて何とか打開策をと模索するファンは、だが何の手立ても、どころかその場から一歩も動くことができずに奥歯を噛みしめる。


「(俺が誓約すれば、魔族を倒せるか?)」


『………』


 クロードからの問いかけに、初めてシスは沈黙した。


「(……シス?)」


『……誓約は、汝と我だけでは成り立たぬ』


 少し待って、それでも返答がないことに訝しんだクロードの問いかけに、シスはゆっくりと応じた。


「(では、誰がいればいい?)」


『……女神』


「っ!?」


 回答に、クロードの目に驚愕が浮かぶ。


 その驚きの色にアーグが僅かに眉を潜めた。


 いったん後退したのは、その驚きの理由を探るため。


「……何を企んでいるのです?」


「……」


 剣を下げて問いかけてきたアーグに答えることなく、クロードは無表情で注視する。


「(それは……)」


『或いはその意志を受け取れる者の願い』


 流石に無理だと思ったクロードに、シスは淡々と続けた。


『女神の巫女が誓約を望むのであれば』


 神剣と言うのは、剣の姿をした魔法そのもの。


 故に強い力を有し、けれどもその歯止めのために意思が宿っている。


 強い力に、使い手の存在が脅かされないように。


 だからこそ、その能力の解放には段階があり制限がある。



 使い手足りえる者の中から、実際に契約を結んだ者が契約者として使い手となり、剣として用いることを可能とする。


 そして契約者が誓約を行うことで、誓約者となり、上位段階の力を振るうことを可能とさせる。


 しかし、誓約は制約であり絶対の誓いでもある。


 だからこそ、その承認を得る必要があった。神剣に宿る意思と神剣の作り手たる女神に。


『誓約は魂魄(たましい)に刻まれ、縛る絶対の誓い。故に、よく考えることもせず、思い付きでするようなものではない』


 ――今は誓約の時ではない。



 淡々と告げるシスの言葉に確かにと納得する。



 思えば、なぜこれまで直接問いかけることをしようとしなかったのか。


 神剣の封印が解かれ、小堂で神剣に宿る意思と邂逅し、使い手になることを承諾した。


 つまりは契約してから、いくらでも時間はあったというのに。



 むしろ、ここまで追い込まれたからこそ、試してみようと思いつけたのか……



 神剣には意思が宿っている。


 それは初めから、契約を結んだ時から分かっていたというのに。


「(だが、時間がない)」


『……』


 呼び掛けに、シスは応えない。


「(シス。俺と誓約を)」


『……女神の巫女が望むのであれば』


 しばし沈黙して、吐息混じりにシスは頷いた。


「ジャンヌ」


「え!?」


 アーグを注視したまま呼び掛けたクロードに驚いて、ジャンヌは目を見開く。


 唖然とクロードを見上げた。


「何を望む?」


「っ!それは……っ!!」


「心からの、絶対の望みは、何?」


「クロード?」


 突然の問いかけに驚いたジャンヌは思わず言葉に詰まり、それを気にもせずに続けられた言葉にファンが訝しげに呼ぶ。


 クロードが何を考えているのかが分からない、


 今、どうしてそんなことをジャンヌに聞くのか。



 やり取りに、アーグもまたその真意を探る様にクロードを見る。


 魔法の使い方を知りもしない、一介の護衛騎士。


 同時に、魔法の使い手たる呪師(じゅし)を監視する護衛官。


 女神の巫女であるジャンヌの護衛騎士となったがゆえに、神剣と契約を結ぶことになった神剣の使い手。


 だが、使い手に過ぎないだけの存在(もの)


 神剣に関して、何も知るはずのない者。


「それを聞いて、どうするつもりです?」


 なのに、なぜ的確に、女神の巫女に問いを放った?



 そう。アーグには、クロードの問いかけの意図が正確に読み取れた。


 この男は、神剣の力を引き出すために誓約者になろうとしているのだと。



 面白い。どれだけ抵抗してくれるのか。


 徹底的に抵抗して、それでも及ばない時の絶望は、どれほど甘美な感情であろうか。


 どれだけ、自分を愉しませてくれるのか。



 許してやろう。その抵抗を。


 どちらにしろ、地の神剣は恐れるものではない。


 仮に、誓約が成立し、その力を引き出せるようになろうとも。


 自分を脅かすほどの力はない。


 それを知っているからこそ、余裕を見せたまま、微笑んで先を促してやる。


「ジャンヌ。何を望む?」


「わたしは……!」


 繰り返された問いかけに、一瞬、ジャンヌは口を閉ざす。


 自分が、何より望むこと。


 それは……


「……わたしは、大事な人たちを、大切な人たちを、守りたい……そのために必要であるのなら、どんなことでも……やり遂げてみせるわ!!」


 神剣と契約を結んだ時。


 ジャンヌは幻視の世界で遭遇(あっ)た天使に、弟を救けるために神剣の封印を解いたと答えた。


 そのために、アーグを倒さなければいけないのなら、全力で叩きのめす。とも。



 けれどもそれは、神剣を必要とした理由。


 では、望みは?


 そう聞かれれば、答えはまた少し違ってくる。


 それは、公人として、皇女としては間違った答えかもしれない。


 それでも、ジャンヌと言う、一個人として望むのは、大事な人たち、大切な人たち、皆との平和で幸せな日々だ。


 その平和を、幸せを、脅かすものがあるというのなら、それらと戦ってでも、守りたい。


 それが、それこそが、望みだ。



 ただ助けを乞うだけでは、助けてくれるものなどいない。


 それをジャンヌは知っていた。



 実際に5年前、アーグに襲われた時。


 助けてと、どれだけ願っても、助けてなんかくれなかった。


 実際に守ってくれたのは皇城に勤める護衛の騎士や呪師だったし、逃げ惑ううちに彼らとはぐれて、ジョンと2人っきりになってしまったところに、駆けつけてくれたのはファンだった。


 多くの犠牲を出して、それでも、最後の最後まで、守ってくれたのはファンであり、ジョンで、女神が直接助けてくれたわけではない。



 助けてと、どれだけ叫んだって、助けなんか与えられない。


 自分の望みを叶えたいのなら、生き残りたいと願うなら、自分自身で、勝ち取らなければダメなのだ。


 それを、あの時ジャンヌは痛感した。


 勝手に自分を巫女にしておいて、そのせいで襲われて、たくさんの犠牲が出て、自分も両親を亡くし、たった1人の弟までもが、眠ったまま目覚めなくなってしまって……


 なのに、なぜ?


 なぜ、神剣を使ってはいけないのか?


 封印なんかしていても。


 後生大事にしまっておいても、何の意味もないではないか。


 せっかくあるのだから。


 神の剣と呼ばれる武器が。


 魔族に対抗できるであろうものがあるのに、どうして使ってはいけないのか?



 本当に、魔族を倒す力があるというのなら、アーグを目の前にした今こそ、その力を発揮しなくてどうするのか。


 ガラクタだというのなら、そんなもの、後生大事にしまい込む意味もない。


 有事に有効的に活用できてこそ、意味を成すのだ。


「わたしが願う幸せを、守りたいと思うすべてを、守るために、わたしは神剣を手に入れたのよ!」


 クロードに問われ、答えるうちに、思いの丈が溢れ出る。


 5年前(あの時)の絶望と失望と共に。


 怒りと悲しみが、身体の内を駆け抜ける。


 そしてその激情に応えるかのように、ジャンヌの持つ神剣が朱金の光を放った。


ご覧いただきありがとうございます!


第5章第3話は、アーグの絶対的な力の前に、希望が見えない展開となりました。


ファンが魔剣に掠められただけで絶叫するほどの激痛に襲われ、アーグの魔剣が「負の感情を増幅させる」恐るべき呪いの剣だと証明されます。


さらに、子供たちの死体が不気味な魔物へと姿を変え、ジャンヌたちに襲いかかり始めました。


絶体絶命の窮地の中、クロードは地の神剣に宿る意思「シス」と対話。神剣の真の力を引き出す方法として「誓約者」になればよいと知ります。


しかし、そのためには女神の巫女であるジャンヌの「絶対の望み」が必要だとも。


クロードの問いかけに対し、ジャンヌは偽りのない魂の願いを叫び、その激情と決意に応えるかのように、ジャンヌの持つ神剣が朱金の光を放ちます!


果たして、ジャンヌの願いは通じたのか? そして、クロードは「誓約者」となり、魔族アーグに対抗できる力を手に入れることができるのか!?


次話もどうぞお楽しみに!


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は第1部まで執筆完了済みです。安心して連載にお付き合いください。】


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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