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第11話 囁く者たち

いつもお読みいただきありがとうございます!

今回は、不気味な接触とアキトの違和感。

彼の感覚から、脅威がじわりと浮かび上がります。

---


「南の広場で怪しい一団を確認!」


監視所からの報告に続き、斥候役のライフル兵が言う。

「黒いフードの女たち、十数人。広場で輪を作り……祈っていました」


「……教団だな」

カレンの短い一言で場が張り詰めた。


俺は思わず口を挟む。

「祈ってるだけじゃん? 何がそんなにマズいんだよ」


シエラが真剣な顔で答える。

「祈りは口実よ。本当は“心を縛るための術”。目を合わせた者が戻ってきた例は、ほとんどない」


銃剣少女が低く付け足した。

「私の仲間も……あの日から帰ってこなかった」

それ以上は言わず、唇を噛む。


俺の背筋に嫌な汗が流れる。

(マジかよ.....こういうのってだいたいヤバい儀式の生贄とかにされるヤツだよな.....リアルでそんなイベント入れてくるなよ)



---


廃墟の広場に出ると、苔むした噴水跡に黒衣の女たちが立っていた。

「“火の雨は浄化、肉は土に還り、魂は楽土に導かれる”」

同じ文句を延々と繰り返す。


フードの奥から覗く口元は、笑っているようにも泣いているようにも見えた。

まるでシステムエラーを起こしたNPCがバグった台詞を繰り返しているみたいだ。


「……やべぇ。これが洗脳ギミックか.....」

思わず口から漏れる。

リアルでやられると笑えない。

人間が“シナリオの台詞”みたいに動いてること自体が、何より恐ろしかった。


シエラが小声で囁く。

「見るな。目を合わせると、心を持っていかれる」


その瞬間、そのとき、輪の中の一人が顔を上げた。

フードの奥で唇だけが笑みを描き、手を掲げる。

すると周囲の女たちが列を組み、ゆっくりと近づいてきた。


銃剣少女が息を呑む。

「気づかれた……来るぞ」


フードの奥から甘い声が響く。

「赤鎧団。穴ぐらに籠って生き延びるのは楽しい?」

挑発するように、ゆっくり近づいてくる。

「私たちは救いを分けに来ただけ。ほんの少し耳を貸せば、飢えも不安も消えるのに」


兵士が引き金に指をかけたが、カレンが低く制した。

「撃つな。奴らは撃たれれば“殉教”と叫び、さらに狂信を広げる。無駄に勢いづかせるだけだ」


リーダーの女は愉快そうに笑った。

「拒むなら拒めばいいわ。でも覚えておきなさい。救いを拒んだ者には、もっと残酷な飢えが待っていることを」


兵士たちの顔が強張る。

その言葉はただの脅しじゃなく、“確信”のように聞こえた。



カレンが声を張る。

「距離を取るぞ! ここで言葉を浴び続ければ、心を削られる!」


兵士たちは歯噛みしながらも後退し、俺たちは広場を離れた。


最後に女の声が背中を刺す。

「また会いましょう。次は……あなた自身が欲しくなる時にね」


フードの奥の視線が、確かに俺を狙っていた。

鳥肌が全身を走り、呼吸が乱れる。


(……これ、マジでゲームじゃないんだ。次は俺が“ターゲット”にされるかもしれない)


拠点に戻るまで、あの祈りの声が耳から離れなかった。



---

最後まで読んでいただき感謝です!

教団はただの宗教ではなく、まるでゲーの“洗脳ギミック”のような存在として描きました。

アキト自身が「俺が狙われてる」と感じることで、次への緊張が増します。

感想や応援をいただけると、とても励みになります!

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