45/62
第四十五話、君に、君に、、、こいしてる
私は私に問う。本当に記憶が戻らないままでいいのかって。長いこと目を背けていた。自分の中で消化済みにしていた。けど実際はただ大きな現実として、いや、この旅すら根底にある問いは私は誰なのかということに帰着する気がした。私は私だけど私が好きなあの人への気持ちが今の私にとって真実なのか、はたまた過去の自分の産物か分からない。幼馴染なんだから記憶を消す前から何かしらの感情、何かしらの特別を彼に抱いていたに決まっていた。
それが恋のようなものなのか友情のようなものなのか信頼なのか、はたまた何かもっと捻れた感情なのかは分からない。第一今の自分の知っている範囲の歩夢は民宿でお世話になった菜穂子さんよりも少なかった。私はここにきて歩夢を探すよりも私の記憶の中の歩夢を探す方が早いんじゃないかって思い出している。
もしくはそれが先なんじゃないかって。




