41/62
第四十一話、私はお伊勢には行かない、、、
私はあれからいくつかの日記の中で印象的に語られている箇所を回った。そこでは歩夢の感動を追体験するように、歩夢への気持ちを再体験するように、そして、また自分についての思いを巡らせた。私って誰なのかな。一体この経験は、いや、この人生はなんのためにあるのか。考える度にぐるぐるとでも確かに何かへ近づいていた。
歩夢への思いが膨らんだそして孤独のようなものを感じていた。
「会いたいよ」
そんな言葉を吐き捨てながら私は京都に向かった。お伊勢さんには寄らなかった。
これが孤独か、言葉にならない、思いも吐き捨てた。
夕焼けが綺麗な夏の窓べ。始まったばかりの旅は不安と渇望とそれから静かな安らぎを私に感じさせていた。




