第二十九話、やっぱり話してみよう
「そうだ、歩夢のお母さんと話に行こう」
家の前まで来てまた、ちょっと緊張して、そのまま通り過ぎた。居ない可能性もあるし。なんてよく分からない言い訳をしながらブラブラ歩いた。
「あっ」
また同じコンビニまで来た。
「えっ歩夢?」
胸が高まった。顔が熱くなるのを感じた。
急いで追いかけると、それは全くの別人だった。恥ずかしさより、がっかりが勝った。そのままぼーっとヨーグルトが陳列してる棚を見て、野菜ジュースを握って会計へと急いだ。一息で野菜ジュースを搾り飲み、急足で歩夢の家へ。玄関の前で深呼吸をしてチャイムを鳴らす、三度連続で鳴らす。留守だった。
帰り道、興奮を収める為に回り道して帰った。一連の出来事を思い起こしながら考えた。実際には何も起きてないは、自分で勝手に色々とワチャワチャした。そうね、歩夢を探すのにこれではダメだは、いやむしろ探さないほうが良い気がした。いや探さないは出来ない。でも何て言うかもっと落ち着いて、考え過ぎない方が良いかな。うん、第一考えて分かるようなことでもないし。今日だって不安も興奮も決意も何でもなかった。ただお母さんは留守で、会ったとしても歩夢の居場所が分かるとも限らないし。第一お母さんに歩夢を探しにいくなんて言ったらもっと離れそうというか何か面倒臭いことになりそう。ああ、良かった。よく分からないロジックで冷めやらぬ興奮は治った。
でも私何で歩夢のこと、探しに行くんだっけ。
探したいから、
好きだから、やっぱりそうか。
あと逃げたいから、現実から?何現実って。
大学から?うんまぁどっちでも。
親から離れたいから?でも以外と慣れてきてる。
記憶喪失だから?どうゆうこと? もう何か思い出そう何て思ってもないし、、でも歩夢との為には、、思い出したいかも。。
暑いな、部屋の窓を開けて。日記を手に取りベットに飛び込めば心地よい安心感に包み込まれた。
日記にはやっぱり、何とも言えない安心感があった。つまり日記その物の温もりというか、重みのような。日記を摩り何かを指先で感じようとする。日記を開いてまた最初から読む、結局の所、私は一番最初の文が結構好きで何度も読み返してしまう。<絶対に読むな> ちょっぴり当たり前に読んでしまっていることが申し訳なくなる。でも、この一文を読むたびに思う。私達ってきっと凄く似ている。何て言うか、私が日記を書いたら多分まず最初に同じことを書く。やっぱりプライバシーは大事だから、その上できっと歩夢には貸せる。
そんな安心感が何故か湧いてくる。まあ、好きだからそう思うんじゃない?と聞かれれば否定は難しい。正直自分でも不思議ではあった、だって私の記憶の中では歩夢とは少ししか会ってないし随分と話し込んだ訳でもなかった。やっぱり記憶喪失前の何かなんだろう。やっぱりそう何かある。考えても分からないなにかが。




