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第二十七話、それでも母は。
さて今日はまだ私に伝えてない貯金がないか、両親に聞くつもりだ。今までのバイトの分ではおおよそ頑張って節約しても一ヶ月が限界、両親にはそのぐらいと見積もってるふりをしているが、本当はそんな期間なんて気にしないで旅立ちたかった。もう大学に戻ろうとか、ましてやこの家に戻るかも分からなかった。読んで字の如くあわよくば新生活を始めるつもりだった。そういう意味では旅先でバイトすることなんかも考えていたから。今の分でも大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど、やっぱりあるには越したことはないし、もしも記憶を失う前に自分が貯金なんかしてたらそれを貰う権利はあるでしょう、一応自分のだ。
「お母さん、私の貯金口座とか知らない、ほら前にバイトして貯めたのとかもしくはお年玉貯金とか」
「そうね、まぁ少しはあると思うけど」
「そう!、やっぱりあるんだ、聞いてよかった。貰って良いよね?」
「まぁね、本当は、、でも幾らもないと思うはお母さんも当分見てないけど」母はなんだか部が悪そうに濁した。




