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第二十一話、はき

 やっとのことで寝れたのは新聞配達のバイクの音が聞こえだしててから。次の日になっても私の熱は冷めなかった。ただ一つどんな行動をするのか、正直気持ちがあるのは歩夢に会いに行くってことだけだった。でも連絡先も知らないし、行き先も聞いてない。第一、仮に連絡先を貰えて、誘ったとして断られる可能性だってある。いい、わかった!。とりあえず歩夢のお母さんに聞くことにしよう。

 でも、もっと大変なのが、うちの両親をどう説得するかってこと。やだ、行く気が失せていく。

「そうだ、とりあえず学校に行こう」こういう時、とにかく出る。両親から離れなきゃ。

 今朝は寝不足もあって妙に興奮していた。

「教授!」今日は心理学の授業はなかったけど何度も教授の研究室を訪ねてやっと会えた。紗栄子はもう、ぷんぷんだ。

「どうしたんだい?」

 いつもの冷静で明るい様子で落ち着いた返答をくれる。それとは裏腹にドキドキしている私は言葉に詰まったが勢いに任せて言った。

「私行きます!」

「感情見つけたんです!」

 教授は微笑んでいた。

「そうかぁ、見つけたか、本気でやってごらん」

 教授はただその一言を伝え残し部屋に入って行った。私は細かく更に話しても良かったんだけどあえて追いかけなかった。そのくらいの満足感がこの短い会話にはあったから。

 「後で!」と言われ続けた、かんかんの紗栄子と合流した。興奮冷めない私は内心違う事に意識を燃やしながら、紗栄子の気になる人だか、恋愛トークを聞いていた。

「梅はどう思う?」

 質問をされて意識が目の前に戻る。

「ごめん、私、大学辞めるかも」

「えっ何で?いやなことでもあったの?」

「そういうんじゃないの、私会いたい人がいるの、その人に会いに旅に出たいの」

「梅が大学辞めたら私、どうすんの。寂しくなるんじゃん」

「うん、ごめんね」

「そんなこと言って、大丈夫だと思ってるくせにー」

「まぁね、だって紗栄子だもん」

「あーあ、せっかくまた、親友が……。あー、やめた、やめた。もうっいい」

 紗栄子はやっぱり頼もしかった、力強くて。優しくて。少し意地っ張りだけど、それでもやっぱり優しかった。


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