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第二話、ハッした。

「君は、君は。」いったいきみは誰なんだ。彼を追いかけて考えていくと、私はどうしても自分と向き合わざる負えなくて。せっかく記憶喪失になったのに。思い出したいかも分からないのに。どうしてあのトキ、私の前に現れたの?

ハッとした。目の前に優しそうな、おばさんが居る。何でそんな悲しそうな目で見るの?

おばさんは悲しくなるほどに優しい声で「そうだね、あなたは何も変じゃない」って。

 私はそんなふうになぐさめてほしかった訳じゃない。

「先生らしき人!私は何なの?何があったの?」

周りを見渡すと看護師さんらしき人達も集まってきた。

「あなたはっ、」

 言わないで聞きたくない、聞きたくない。私は聞くことを拒んだ、いや頭が真っ白になった真っ白な部屋だった、もう認めた。私、わかった。私の状況、私、頭が変になったわけじゃないんだ。少しもやが晴れた。でもその奥にはもはや色なのか光なのか分からないほどに真っ白な空間があって、私はそのもやの中に抱かれている。

「それでも、私……私は」

 どうやら私はそのまま気を失ってしまった。

 それからどれくらい経ったのか、私はうつろに病床の窓から見える月を眺めた。それはもう三日月と言えるのかも分からないほどの細さで、何だか私みたいって思った。

あぁこれは夢なのか、現実なのか、どっちでも良いか何も覚えてないんだもん。ただ何もない。あるのは不安なこの気持ちだけ。あとこの喋ってる私か。

「行かないで…」

 私は誰かを叫びながら追いかけて、その子が崖から飛び降りたのを追いかけて飛び降りて地面に打ちつけられるところで目が覚めた。あぁ、夢だったんだ、私、死んだのかな? 心の声はしっかり音になった見たいで、断言はできないけど母親だろう人が私の手を強く握った。

「あなたは死んでないは、しっかり生きてるのよ!」

 言葉と同時にギュッと更に力が伝わる。

「痛いっ」

 思わず手を払った。 

 息苦しい空気が病室に立ち込める、そこに居た男の人、おそらく父親がナイスフォローをした。

「フルーツ食べるかい?」

「うん」

 私は無邪気を装ってメロンを頬張った。メロンの果汁がが漠然とした不安を腹の底の方へ流してくれた。 


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