第十四話、コーヒー③
日記を返さず、彼と別れた後、日記はあまり開かなかった。日常を新たに作ることに忙しい。大学は前学期が終わるのを待って、一つしたの学年と一緒に再開した。あのあと一人でもお見舞いに来てくれた、三人のうちの一人、紗代子が今一番の仲良しになった。彼女はもう元々の友達と一緒に居るのは疲れたとのことで本当は私が居るからみんなとも仲良くしていたことも、あるらしい。
本当の所は分からないけど紗代子には気は使わないし大学でも授業の合間一緒に時間を潰す仲になっていた。
「お邪魔しまーす」
しっかり両親とも仲良くなった紗代子は世渡り上手だ、今日も私の部屋に転がり込んだ。
「ねぇ聞いてよ、一年の時、私が付き合ってた達也って覚えてる?」
紗代子は平気で私の地雷を踏んだ。私はもう、逐一それに反応はしない。彼女は話を聞いてもらいたいだけだ。
「うん、それで」
「最近やたらとラインしてくるんだけど、めちゃキモくて。やっぱ紗代子が良かったとかぁ、やりたいだけでしょ」
「ああ、そういうもんなんだ」
「てか、梅って彼氏とか作んないの?モテるでしょ梅なら」
自分では美人だと思わないけれど最低限は清潔に努めている私は容姿を褒められることもあった。私は大学で声を掛けられたり、友達ずてに連絡先を聞かれることもあり、そのことを紗代子は言っている。
「うん、どうなんだろうね、興味ないかな」
「そうなの?勿体ないっ、てか梅って処女?」
紗代子は本当に単刀直入だ、でも、そういう所が一緒に居て気を使わない。
「それが、分からないんだよね」
「えっ分からないって処女膜あるの?」
「いや、なさそうなんだけど。ほら行為以外でも破れることもあるらしいし」
「え、確かに梅から男の話し聞いたことないけど」
「そうだよね」
私はそういった事に興味がないというか欲求がないのでそんな気はしていた。
読んでいただきありがとうございます、またブックマークありがとうございます。次回は明日に更新予定です。(^^)