竜になるってかっこいいですね
「じゃあ、覚悟してね」
私は縦横5×5の奥行き10に並んだ魔法の球を私の頭上に4つずつ用意して放つ。
生成と射撃を自動的に行い、私は脳内で照準をイメージして当てていく。
毎秒100発を射撃と生成を行い、土の化け物を襲う。
ナルカミちゃんが、打たれてすぐに気づくけど、遅いね。
想像以上に土の化け物の硬度は柔らかくて、1000発撃ち終わったタイミングで一息つく。
殆ど崩壊して、砂埃が舞う。
この辺りは戦闘の影響か、リューちゃんがやったのかは不明だけど、雲が消えている。
だから見晴らしがよく、周辺のビルがいくつも倒壊してるけど、リューちゃんと土の化け物が戦えるような状態になっていた。
そんな場所があるから少し離れたこのビルからでも狙撃が可能だった。
まだ、1000発控えてる。
砂埃が止むのを待とうと思ったけど、リューちゃんが翼を振って消し飛ばした。
流石と言うべきなのかな?
土の中に埋まっていたりするのかなと思って、魔力検知で確認するとジセキちゃんが壊れた土を使い、かまくらのような物を作って三人の身を守っていた。
じゃあ、もう一回やろうかな。
そう思って構えると、リューちゃんが近づいてくる。
「カーネ、のって」
「おねがい、リューちゃん」
私はビルの屋上から飛び降りて、リューちゃんの背中に乗る。
リューちゃんの姿って少し怖いけど、かっこいいんだよね。
「カーネ、がんばって」
「うん、大丈夫だよ。任せて」
リューちゃんは激しく動くから頑張ってしがみついてって言うことだろうけど、まぁ私自身が呪獣と言うこともあってある程度は大丈夫。振り落とされはしないはず。
ジセキちゃん達はゆっくり土の壁を消して、雷が降り、大きな土の槍がリューちゃんに向かって生える。
正面からはキュウちゃんの放った魔法の大きな矢があるけど、リューちゃんは回転して尻尾で全てを振り払ってしまう。
そのまま、リューちゃんは火の玉を吐き出すと真っすぐジセキちゃん達へ向かう。
ジセキちゃん達はすぐに土の壁を築き、更にその壁の前に大きな四角い壁を生成して防ぎきる。
この場所の攻防が激しいのは地面を見ればわかるけど、コンクリートなんて無いし、ビルもあったんだろうけど、消え去ってる。
少し離れた場所は倒壊してるし、それより奥は倒壊はしてないけど、雲が消えてる。
高い所から見るとここでの戦闘の激しさを実感するなぁ。
「ねぇ、少し聞いていいかな?」
「だい、じょうぶ」
「他のみんなってどうなったの?」
「ハネちゃん、ジュオンちゃん、やられた。マンラちゃん、知らない」
「そっか」
マンラちゃんはどこにいるんだろう?
まさか、セイビちゃんとまだ戦ってるとか?
でも、始めの戦闘的にマンラちゃんの方が強いはず。
だから負けないと思うんだけどなぁ。
セイビちゃんがここにいないのと同じで
なんて考えてると私の身体が火だるまとなる。
「おいおい!お前か?俺の仲間をやったのは!」
なんで?
セイビちゃんが私のいたビルの隣のビルの屋上から攻撃してきた。
なんで、セイビちゃんがいるの?
私の混乱とは別にセイビちゃんは再び私へ蒼い火の玉を放った。
これは対して攻撃にはならないから、気にしないけど、なんでセイビちゃんがここにいるのか混乱して動けずにいた。
リューちゃんは気づいてすぐにセイビちゃんへ直接攻撃せず、下のビルを破壊する。
しかし、セイビちゃんはビルから飛び降りて尻尾から登ってくる。
私はそこでハッとして、気持ちを切り替えてセイビちゃんを攻撃する。
「リューちゃん!こっちは任せて!悪いけど、あっちの三人をお願い!」
「まかせて」
リューちゃんの動きに合わせて移動しながらセイビちゃんへ攻撃を仕掛ける。
始めはマジックミサイルで妨害するけど、大した妨害にならずに徐々に接近される。
それに、手に鱗が生えて、魔法を弾いてる気がする。
そういえば、鱗には弾く効果があったんだっけ。
厄介だな・・・
「おい!そこのお前か?俺の仲間をやったのは!」
「えっと、それはその・・・」
あれ?もしかして、私しかやって無くない?
私はジャクちゃんを倒したけど、みんな倒せてないよね?
ちょっとヤバくないかな?
「ッチ!煮え切らない奴が!お前もあの女見てぇにやってやるよ!」
そう言って細長い尻尾が私に向かって放たれる。
「ッ《人格交代》《虚吸の鎧》《人格交代》」
一瞬だけカヨコちゃんに交代して鎧を生成してもらった。
唐突にやったけど、カヨコちゃんは瞬時に把握して鎧に剣もつけてくれた。
そう、ちょっとズルをしちゃったけど、カヨコちゃんの方がイメージできると思ってカヨコちゃんに交代したんだけど、思った以上の剣が出来て困惑する。




