魔呪少女 S1
幸福って何だろう。
普通って何だろう。
不思議の泡が出来て破裂して、黒く蠢く生き物が出来る。
小さくて必死に蠢く生き物に私が力を与えてあげる。
頑張って生きてもらわなくちゃ。せっかく生まれた命。大事にしないとね。
「いつまで続けるの?お姉ちゃん」
「さぁ?」
いつの間にか白い双子が来ていた。
私は気にせず、新しく生まれた子に力を与える。
また泡が破裂して生まれる。
だから力を与える。
「この子はこれが望みだからいんじゃない?期待するだけ無駄だよ。所詮空っぽの魔呪少女なんだから」
「う~ん、そうだね。でも、こいつらキモいから増え過ぎたら間引くからね~」
なにをしようとするの?
「うっわこわ~、こいつらが生まれるのも育つのも必要なことだからいいけど、一か所に固めて置いとくのはやめてよ?ちゃんと色んな場所に存在させないと意味ないじゃん」
「まぁ、とりあえず一匹貰ってくよ」
うん、いいよ。
大切にしてね?
「わかってるよ。じゃあね」
うん、バイバイ
あっ、キミ・・・オトモダチタベチャダメッテイッタヨネ?
悪イ子ハイラナイヨ
うん、みんな仲良し。良い事。でも、これ以上新しい子この場所では生まれない環境になっちゃったなぁ
みんなお出かけの時間。
新しい場所増やしに行こうか。
この子達の幸せ。
この子達の日常。
この子達の普通。
数匹残って後の子達で新しい場所の開拓。
この子達は可哀そうから生まれる子達。
可哀そうを減らしていけばこの子達は減っていく。
だから私は可哀そうを増やして、可哀そうが生まれる場所を作る。
これが正しい事。間違った事してないよ?悪い事してないよ?ちゃんといい子なんだもん私もこの子達も。
うん、間違った人達を排除しよう。
悪い事した人をお仕置きしよう。
そうすれば可哀そうが生まれてもっとこの子達が生まれる。
みんなWinWinな世界。
でも、ふとした時にぽっかりと穴が開いた感覚ができる。
なんだろう?
でもいいの。過去の事は覚えてないけど、覚えてないってことはどうでもいい事だったってこと。
この穴の開いた感覚もすぐに忘れるからどうでもいい事なの。
そうだ、言葉を交わすのは大事って事覚えたから、この子達にも教えてあげなきゃ。
うん、まずは会話をするの。
ちゃんとお話しするとみんなが良い方向に出来るの。
お話は大事。
お話の仕方覚えようね。
でも、その前に新しい場所を見つけないと




