戻ってきたらバタバタし始めました
「調子がどうかな?」
クマのぬいぐるみが私の顔を覗き込む。
起きたばかりでぼんやりする。
ずっと眠っていたからか身体が訛っている感じがするけど、問題なさそう。
「大丈夫かな」
「よかった。上手くいったみたいだね。試しに《交代》を使ってみてよ」
「わかった」
ネラが言ってるのはカヨコの事だと思うから、私は《交代》でカヨコと交代する。
カヨコを探してみると空の力にいた。
私の持つ力の中で空の力、魔力、呪力の順で使いやすいから、空の力にいるとかなりスムーズに交代できる。
「何かしら?」
「大丈夫そうだね・・・カラネは聞こえているかな?」
うん、聞こえているけど、どう返事すればいいかな。
「多分聞こえているわよ。ウチもずっと聞こえていたし」
「そう?ならいいか。もう大丈夫ならみんなの所戻る?一応時間は殆ど経ってないから、今すぐ戻ったらフヨコちゃんが帰った翌日の夕方頃に戻れるけど」
「そうね。ここにいても仕方ないし戻るわ」
「そっか、わかった。じゃあ入口まで飛ばすよ?」
「えぇ、お願いするわ」
え?
あっ・・・飛ばされちゃった。
どういけば帰れるのかわかんないのに・・・
「さて、聞こえてるわよね?カラネ」
え?あ、はい。
「合流する手前で《交代》使うから戸惑わないで頂戴ね。あとは合流後に色々聞かれるかもしれないけど、テキトーに誤魔化しておきなさい。説明する方が面倒だわ。あとはそうね。ちゃんと謝罪はしなさい。迷惑かけたのだから」
・・・はい。
「じゃあ、飛ばしていくわよ」
そう言って、浮上した。
~・~・~
「これはどういうことかしら?」
カヨコが呟く言葉に私は何も返せず、ただただ目の前の光景に困惑するだけだった。
「なんで呪獣がこんなところにいるのかしら?」
それも大量に
合宿を行っている空間へカヨコは迷いなく進み、入る事ができた。
ただし、入った先に見えたのは緑の森ではなく、黒く汚染された土地だった。
その土地には大量の呪獣が蔓延っている。
「いえ、まずは合流よね」
呪獣たちはこちらに気づく様子は無く、何もせずに偶にうろついて立ち止まってボートするのを繰り返している。
空を飛んで、キャンプ地へ向かう。
遠くから見える感じ、部分的に汚染されているようで全部が全部ではないみたい。
「カラネ、交代するわよ」
そういってすぐに魔法を発動して交代した。
私は飛びながら、みんなの様子が不安で加速する。
キャンプ地は問題ないみたいで少し離れたところでチヨ先生マンラちゃん達に指導する様子が見える。
キャンプ地自体にはハカリ先輩が一人いるだけだった。
「・・・おかえり。体調大丈夫そう?」
「あ、はい。ご迷惑おかけしました」
「まぁ、あたしは気にしないけど、てかあたしらのメンバーは気にしないけど、向こうのシンラのメンバーが警戒してたから注意しなよ」
「はい。ありがとうございます」
着地した私に気づいたハカリ先輩がちらりとこちらを見てから視線を元に戻して話しかけてくれた。
確かにシンラ先輩のチームの方たちは事情を知らないから仕方ないかな。
呪獣がいるとはいえ、思っていたよりもいつも通りの様子に驚いたけど、どっちなんだろう?
「あの・・・ハカリ先輩質問してもいいですか?」
「ん?なに?」
「さっきこっちにもどってくる道中で呪獣の巣みたいなものを見かけたので・・・」
「ちょっと待って。それはどっち方向?」
「えっと、道中見かけたのといろんな箇所にあったので、一カ所だけじゃないのですが」
「・・・はぁ。まぁ現状このあたりでは問題はないけど、そう。ちょっと連れてくるわ」
ハカリ先輩は飛び去って行った。
方角的に修行場に行ってるんだろうな。
しばらくの間私はここにいることにした。
そして、数分も経たないうちにハカリ先輩らが戻ってきた。
「カラネ。色々まずは置いといて先に呪獣の話。どのあたりで見たのかしら?」
「えっとここに入ってくるトンネルの入り口付近に一つあって、そこから点々とありました。このあたりにはなかったけど、緑の森は大体汚染されている感じでした」
「・・・わかったわ。とりあえず、ハカリは先生に報告。トウカとウチで偵察。カラネはここで待機。いいわね?」
「はーい」
「わかりました」
「じゃあトウカ行くわよ」
トウカ先輩とフヨコ先輩はそう言って、入口の方へ飛んで行った。
ハカリ先輩も見送った後、また修行場の方へ飛んで行った。
再び私の1人での待ち時間があるけど、修行場からここまでそう離れていないから数十分もしないうちに戻ってくるはず。




