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そういえば、私の始めて見た呪獣って狩猟ゲームの奇怪〇みたいなビジュです


 次々と出現する呪獣を相手する。


 三体目から変身して、杖を武器に変化させて、物理攻撃を加えて戦わないと厳しくなった。


 初めの内は単調で、相手の動きを見て判断出来ていたけど、徐々に相手の動きに緩急が出来、フェイントやら呪いやら、攻撃方法も変わってきた。


 斬った呪獣は溶けるように消える。

 死体が残る事は無く、時間経過しているわけでもないこの空間で疲労を感じない。

 妙に冷静で体が呪獣への対応を覚えている感じがある。


 ゲームって初めコントローラー見てボタンの位置を確認しながら操作するけど、慣れてくるとボタン確認せず、感覚でやるのと似た感じを覚える。


「ほら次よ」


 いくら肉体に疲労を感じないとは言え、精神的に疲れを感じる。

 単体だけでなく複数体出現する事もあり、対処する為の動きも激しくなる。


 相手を見て瞬時に武器を変更し、剣から槍、槍から刀、刀から弓、弓から棍棒へ次々変更して呪獣を倒していく。

 慣れない武器なはずなのに手に馴染んで使いこなせる。


 私が私じゃないみたいに体が動いて気持ち悪い。


「そろそろかしらね・・・次が最後よ」


 フヨコ先輩の指先から黒い液体が溢れて、下に垂れることなく、指先から腕を伝い、フヨコ先輩を包み込む。

 みるみる黒い液体に飲み込まれていき、フヨコ先輩を包みきると黒い輪郭は膨れ上がり、徐々に見覚えもある形へ変化する。


 あの姿は少し違うけど、初めて見た呪獣の姿に似ている。

 複数目と口があるわけではないけど、それでも形は同じだった。


 私の中のずれが酷く気持ち悪い。

 頭では何で?とかどうゆういこと?とかフヨコ先輩じゃなかったのかな?とか疑問が色々浮かぶのに、心は動揺せず、身体は瞬時に攻撃に備えて警戒をし始めていた。


 私じゃない気分。

 本当に気持ち悪い。なんでなんだろう。

 現状何もわからないのに、次々疑問事しか出てこない。何も解決しない。


 身体が勝手に動く。

 いや、並列思考というのかな。

 私も疑問は浮かんでいるのに、その一方でどう対峙しようか思考している。


 フヨコ先輩じゃないと既に思いきっている。


 私が別の思考をしていても戦闘はもう始まっていた。

 急速に突撃に私を飲み込もうとする呪獣。

 それに対して、私は杖を刀に切り替え、横にステップ移動して、刀を構えて、相手の勢いだけで斬っていく。


 そして、最後には火の玉を生成して爆発させて爆風を利用して距離を取る。

 距離を取る際に、足元が滑るようになる魔法を使用した。


 呪獣は足元が滑るためまともに動けない。

 効果が切れる前に次の魔法を発動する。

 逃避を使いながら、土の杭を呪獣を囲むように設置する。


 想像より、滑る魔法は効いていて、設置する為に数分時間を取ってしまったけど、まだ動けないでいた。

 それならと私は土の杭を利用して、結界を張る。


 付与では無いけど、結界内の重力を数倍にする結界魔法。


 この状態で動けなくしてトドメをさせば、そう思った瞬間、呪獣は翼を生やして宙へ飛んだ。

 その状態から私に向けて呪いが飛ばされた。


 見て判断できるわけじゃないけど、呪いはとにかく受けたら出来る事が減るので、逃避で回避する。

 それを予見していたのか回避先へ既に移動していて思いっきり身体をぶつけて来た。


 回避してすぐな私はそれを避ける事はできず、吹き飛ばされてしまった。


 吹き飛ばされてすぐに杖を槍に変えて、床に押し付けて減速して止まる。

 呪獣を視界に収める為に、呪獣を探す。


 さっきの場所から既に姿が無く、宙にもいない。

 背後を見ようとした瞬間、身体が痺れて動けなくなった。


 あっ・・・これって・・・


 私の視界が暗く、生臭い臭いが立ち込めて、足元が無くなり、宙に浮いた感覚と共に私は倒れた。


「あと何回繰り返すのかしら?ネラ」

「そうだね。もうすぐ終わるよ。キミも気づいてるでしょ?」

「えぇお陰様でね。アンタがやりたいことは検討ついたわ。でも、いえ、これは幸せなのかしらね」

「僕が考える中ではね。もうじき目覚めるはずだからね。それにしても馴染んできたね。記憶も力も」

「そうね。アンタの目的の一つなのが癪だけど、だいぶ慣れて来たわ。でも、それでも私は振り切ってできないわ」

「そう?結構割り切っていたように見えたけど。それにしても、より本調子になってくれると嬉しんだけどな」

「本調子になったらそれこそ、カラネを壊しちゃうんじゃないかしら?まぁいいわ。・・・ねぇ聞いていいかしら?」

「なにかな?」

「アナタは一体、カラネ、彼女に何を求めているのかしら。いえ、力を求めているのはやっていることから記憶を元に理解したわ。それでも彼女にここまでして力を得させるには何かあるのかしら?」

「それは流石に秘密かな」

「そう、まあいいわ。じゃあ今度はウチが記憶を戻った事で聞きたい事があるわ。昔契約精霊なんて存在は無かったはず。歴史の授業で魔法少女の歴史について殆ど存在しないけど、それでもアナタの存在についてどこにも記載は無いわ。ねぇアナタは一体何なのかしら?単なる宇宙人とかでは片づけれないわよね。だって魔法少女の力を引き上げる力があるのだもの」

「・・・まだ内緒だよ。まだ早いからね。知るには。時が来たら教えてあげるよ」

「はぁ、本当かしら」

「うん、嘘は言わないよ。それにこれだけは覚えて欲しい。僕は契約精霊関係無く、求めるものはハッピーエンドだけだと言うことを」

「・・・そう。わかったわ」

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