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絶対私が2割です!


 魔力も呪力も感じない。

 虚無がひたすらに続く


 あれ?私って結局どうなったんだっけ?


 記憶が曖昧で嫌な記憶が蘇る。


 はぁ。

 ただ暗闇が広がる空を見る。


 風も匂いも感じない。

 地面があるのはわかるけど、コンクリートでも布でも土でも砂でもない。

 柔らかくて固い。素材が何かわからない上に転がる。


 感情が虚無で楽しいも悲しいも無い。

 無が胸いっぱいに広がる


 記憶も曖昧だし、力も感じない


「ここが死後の世界かな」


 声が出た。


「何馬鹿な事言ってんのよ」


 声が聞こえた。

 後ろから。

 私は後ろへ振り返ろうとした瞬間、頬に痛みを感じると同時に吹き飛ばされた


 え?


 困惑が広がる。

 なんで?というか誰に?


 頬に感じる痛みと共に口内を少し切ったようで血の味がする。

 それでも、まずは、殴った人がだれなのか気になって声のした方向を向く。


「まったく、わざわざ来たのに、何してるのよカラネ」

「フヨコ先輩・・・?」


 そこにいたのはフヨコ先輩だった。


「あぁ、そうね。ウチはフヨコ先輩よ」


 そういって蹴られた。


 なんで!?


 痛みはあるけど、どこか優しさを感じるのに戸惑い、怒るとか悲しむとかではなかった。

 ただあるのは困惑


「あぁもう、なんか複雑よ色々と。これも全てアンタの性なだから!」


 座り込む私にかがんで怒鳴るフヨコ先輩。

 でも、なんか雰囲気が違うような・・・


「何、ハトが鉄砲喰らったような顔してるのよ。てかアンタどこまで把握できてるわけ?」


 フヨコ先輩の問かけに首を傾げる。

 正直、記憶が曖昧で何が何だか覚えていないのが本音。


「えぇっと・・・」

「大丈夫よ。もう伝わったわ。えっとそうね。アンタがチヨ先生と戦っていた。それは覚えてる?」


 私の脳細胞がこれだよと教えてくれる。

 と同時に色々思い出す。


「え、あ、えっとそのあの・・・」

「だまらっしゃい!」

「ゲフッ」


 思いっきりおなかを殴られた。

 何か吐き出しそうでおなかに何もなかったのか空気が漏れた。


「ゲホゲホ・・・」

「いい?今からちゃんと覚えているか知らないから一つ一つ説明するわよ」


 チヨ先生との戦闘で私の思い込みで呪獣になり、その姿を友達に見られて暴走し、自暴自棄になってたところへフヨコ先輩が助けに来たのに、それを利用して、フヨコ先輩を封印し、フヨコ先輩の人格を今まで使ってた人格にコピーした話を聞く。


 話の度々私が発狂して、殴られるのを繰り返して身体がボロボロになった。

 というか普通に殴りすぎ。もっと優しくしてほしいです


「で、アンタがまた暴走しないためにアンタの意識をこの空間へ放置し時間経過と様子見をすることにしたけど、あのネラはよくわかんないけど、ウチに過去の人格時の記憶を思い出させて、無理やりここへ送られたってわけ」

「えっと、とてもご迷惑おかけして申し訳ありません」

「ホントよ」


 えっと、だから、このフヨコ先輩の姿をした、私?なのかな?が結局何しに来たのかな。


「わかんないわ。とりあえず、カラネを見たら殴ることは決めてたから殴らせてもらったわ」

「えっと悪いのは私だけど、なんか酷いような」

「今までを思い出してみなさい。今のウチにはベースはフヨコになっているけど、アンタの記憶も呪獣の記憶もアンタが好きだったキャラの断片的な記憶も、理想とする魔法少女の記憶もあるのよ?アンタの黒歴史が集結しているってわけ。わかる?」

「えっと、本当にごめんなさい」

「はぁ、まあいいけど、それよりもどうしようかしらね」


 私は距離を取って土下座をする。

 チラチラ見てると、フヨコ先輩の姿をした私?が呆れた表情をする。


「それで、ここは一体なんなのかしら?」

「さ、さぁ?私もさっぱり・・・」

「でしょうね。まぁ、アンタは元に戻ったらちゃんとフヨコ先輩は必ず、他の人にもちゃんと謝罪とお礼を言うのよ」

「はい・・・」


 本当にごめんなさい。

 とはいえ、みんなが暖かくてニマニマしてしまう。

 今の私は恵まれているな。


「はぁ、まぁいいわ。カラネ」

「は、はい!」

「あぁ、そうね。この姿だとアンタがそうなるわよね」


 そういって、姿を変える。


「これなら気兼ねないわね」


 小型の呪獣の姿に変わる。


「えぇ・・・」

「何よ。アンタが望んだ姿の一つよ。獣的で魔法少女を殺す姿・・・ああ。もううざい。頭の中にノイズが走るの鬱陶しいわね。これもネアの仕業かしら?」

「さぁ?・・・」


 そういえば、ここはネアが作った空間か。

 魔法少女じゃないにしろ、ネアって何者なんだろう。


「さてと、ヒマだし模擬戦でもするわよ」

「せ、戦闘狂・・・怖い」

「言っておくけど、別にベースのフヨコの影響じゃなくて一番影響受けてるのはアンタの影響なんだから、きっとあんたが戦闘狂なんでしょうね」

「うそだぁ」


 私は力無く叫ぶ。


「さっさと変身して準備しなさい」

「えっとそれが魔力も呪力も感じなくて・・・」

「・・・あぁなるほどね。カラネ。避けるんじゃないわよ」

「えっ、うわぁ」


 なにかドロドロした集合体が私をめがけて飛んでくる。

 気持ち悪くて避けようとしたら、身体が重くなって動けなかった。


「まったく、避けようとするんじゃないわよ」

「絶対私の影響力ほとんどないですよね!?」

「何言ってるのよ。8割アンタで2割がフヨコよ」

「絶対違いますよ!逆です、私が2割でフヨ子コ先輩が8割です」

「ごたごた言ってないでやるわよ」

「絶対図星だぁぁ」


 ドロドロした集合体は私になじむように消えて行って、魔力と呪力を身体に感じる事ができた。

 ただ、付与で重力を与えられているから動けないでいる。


「うわ!きゃ!」

「なんでそれで避けれるのよ」


 私は足を動かさず、上半身の動きだけで攻撃を避けていった。


 まともに動けないで攻めの一手を考える。


「これで!」

「無駄よ」

「なんで!?」


 私が拳に呪力を纏い、触れたら硬直する呪いで攻撃するとまともに受け止めているのに反撃してきた


「要素が多いのはアンタでも、ベースはフヨコなんだから、戦闘経験が違うのよ」

「そういう話じゃない気がするんだけど」

「そもそも、ウチは呪獣の状態よ?呪いなんて効くわけないじゃない」

「うっ」


 ごもっともな意見をされた。


「まぁ、聞くのは下位の呪獣くらいよ」

「なんで?」

「力の差よ。同じものでも力の強い方が勝つに決まっているじゃない」

「それはそうだけど、なんで知っているのかなって・・・」

「それは・・・この今感じるノイズの影響ね。本当になんなのかしら」


 それは知らないけど・・・

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