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もう、なんでもいいです


 やらかした。

 バレてしまった。

 なんでこんな単純なミスをしてしまったんだろう。


 今になって後悔しても遅い。


 胸から溢れるように暗い感情が湧き出す。


 馬鹿をした。

 マンラちゃん達に嫌われる。というか絶交だよね。

 それよりも戻る前に先輩方に退治されちゃうかな。

 何も知らないシンラ先輩・・・いやシンラ先輩は知ってるんだっけ?

 でも、知らない先輩は普通にいるんだよね。

 事情を知ってる先輩が止めてくれると良いけど、恐らくそんな上手くいかないよね。


 一層の事逃げ出す?でもどこへ?


 はぁ、一層の事消えたい。

 存在を消したい。


 誰からも認識されず、記憶に残らず、今までの出来事も忘れて、私のことを忘れた日常になればいいのに。


 そもそもそうだ。

 私なんて存在、いちゃいけない存在なんだよ。

 みんなの甘さに甘えて、ここまで流されてきたけど、私なんて存在、他にいないようにそもそもいない方がいいのに。


 今までのように私は誰とも交流せず、透明人間のように、浮遊霊のように、干渉せず見ているだけでよかった。

 魔法少女と関わらず、呪獣と融合せず、大人しく食べられて消えてしまえばよかった。


 なんで融合してしまったんだろう。

 なんで魔法少女の力を持っていたんだろう。

 なんであんなところに呪獣が現れたんだろう。

 なんでフヨコ先輩達は私を捕獲して連れて帰ったんだろう。


 全て余計なお世話。

 私はどれも望んでないのに。

 私は・・・


 ただ、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ただひたすらに消えたいだけなのに

 私は昔から消えることを望んでいただけなのに


 私は空っぽなのに・・・空っぽで何もないはずなのに・・・なんで入れて来たんだろう。

 どうせすぐ無くなるのに。


 今覚えている事、これまで覚えてきたこと。

 魔力の使い方とか呪力の使い方とか、これまで得たものはどうせすぐにまともに使えなくなる。いつものように


 いやだ。もういや。


 うん、そうだ。そうだよ。

 これはチャンスなんだ。

 死ぬチャンス。


 もう、このまま暴れてしまおう。

 私は呪獣だ。


~・~・~


「これどうなってるの?」


 ウチの視界にはどんどん膨れ上がる赤黒い球体。


「なにが起こっている?チヨ」

「そうね。今まで積みあがったストレスが爆発したのかしらね。私の主観としてはストレスか、ミスしたかなのよね。戦い方を考えて試行錯誤して試そうとした結果間違えて呪獣になってしまったのかなって思うけど」


 確かにあの子なら両方とも可能性はある。

 なんならミスして、ストレスが加速してあんなふうになっていると予想できるわね。


 しかし、どうしたものかしらね。


「フヨコ、どうする?」

「フヨコさん。トウカさんもですが、カラネさんのあの様子について何かご存じなのですか?」


 トウカが相談してきたけど、まぁ分かってるわよね。

 シンラはカラネについて知らなかったかしら?


「大体予想はできてるんじゃない?」

「まぁ、そうですね。解呪された時から何となく予想はしていましたが、本当にそうだったとは思いませんでしたわ。いや、まだ予想の範疇ですね。私の見解としては彼女は呪獣が人間になっていたなのですがどうでしょう?」


 ウチはため息をついてしまう。

 こちとらあまり気が気でない、さっさとこの状況をどうにかしたいってのにこの女は・・・


「馬鹿ね。カラネはカラネよ。それより、後輩の統率をさっさとしなさい」

「ふふっ、そうですね。カラネさんは、カラネさんですね。おっしゃる通り、私は統率の為失礼しますわ」

「さっさと行きなさい」


 まったく、シンラで今は悩みたくないわ。


「現状、何かする様子は無し。ただ、意識がぼんやりして飲まれてそう。助けるなら早いうちになんとかしないと取り返しつかないかも」

「アンタの力でなんとかならないわけ?」

「えぇ~あたしの魔法って最終手段しょ?」

「そうよ。バカ」


 少し苛立ちを隠せないかもしれないわね。

 とりあえず、先にハカリに偵察頼んで様子を見てきてもらっていたわけだけど、状況は思っているよりもやばいかしらね。


「トウカ、アンタは1年共の護衛しなさい。シンラ達が仕掛けるからハカリ、アンタはウチと共にシンラ達の補助するわよ」

「まぁ、やるだけやりますよ」

「チッ」


 ウチだって、面倒なことはなるべくしたくないけど、ハカリはウチ以上の怠け者だから困るわ。

 シンラ達の様子を見ながら、魔法を発動させる。


「シラベ先生達はどうされます?」

「私が余計な事したわけですし、私は大人しく傍観しますよ。これ以上余計な事をするわけにはいかないので」

「アンナ達は念のため1年生の護衛、最悪1年共を利用するが、基本は何もしない。可能性があるなら、1年共の声を聞かせて、呼び戻すぞ」

「わかりました。シンラ達、気合で拘束しなさい。何もできないくらいにね」

「任せてください。何だかんだでカラネさんも私のカワイイ後輩ですのしね」


 ウチ達のカラネの救出作成が始まる。

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