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契約するらしい


 目の前に数枚書類が出されて、目を通すように言われた。

 親には既に承諾を貰っていて、転校の準備は整っていると、スーツの女性が教えてくれた。

 後は私次第。


 シラベさん曰く少し強引だけど、私を気遣った上の処置で、もしかしたら私はお母さんに認識されない可能性があるから私の心の為に強引だけどこんな風に強引に進めているらしい。


 どうしても消去法でしかない。

 だって、学校へは元々行きたくはない。今は他の人に認識されずらい。呪獣に狙われる状況、今回は良かったけど、また呪獣の姿になった時、正気でいられるかわからない。他の魔法少女に殺される可能性だってある。

 ここにいたら普通の魔法少女と同じ扱いとはちょっと違うけど、ほぼ同じ扱いになるし、呪獣について研究していたり、強い魔法少女がいるから、いざという時どうにでもなる。


 私は承諾し、サインをしようとした。

 けど、書類にはサインする欄が無かった。


「おっ、心を決めたか?サインは魔力使うから、ちょっと後になるけど、先に答えをちゃんと聞かせてくれるか?」

「あの・・・えっと・・・その・・・お世話になります」

「かまへんよ。これからよろしゅうな。と言っても向こうの2人の方が面倒見てくれるやろうけどね」


 赤い髪の少女と黄色と橙色のツートンカラーの少女の方を見る。

 赤い髪の少女は少し眠りかけていた。

 黄色と橙色のツートンカラーの少女は少し睨むようにこちらを見ていた。

 

「えっと、これからお世話になります。よろしくお願いします」

「オレはトウカ。属性は【拳】。不安だろうが、まぁ任せな、オレらはやる時はやるから、安心してついてきな」

「はぁ、ウチはフヨコ、属性は【与】、面倒な事はホント嫌いだから迷惑かけないで」

「まぁ、彼女らは性格難有りの優秀な子だからうまく付き合えるよう頑張りや」


 スーツの女性は持ってきていた紙束とパソコンを片付けて部屋を出ていた。


「さて、まずは魔法少女としての契約をしよう。彼女たちが自己紹介で言った属性、これは魔法少女としての才能を持った人が契約をする事で発現する力だ。魔法少女の魔法はこの属性を利用して使用できる。早速契約を済ませてしまおう。ここからだと丁度後ろの扉から行けるね」


 そういって移動すると、扉の先は上にも下にも穴が続いていた。


「ここが基本的に移動に利用する通路となる。フヨコ、君が適任だ。頼んだ」

「はぁ~、はいはい。行くよ」


 そう言って手を引っ張られて降りた。

 私は重力に引っ張られて落ちていく。が徐々に落ちる感覚が無く、地面に足が着けないまま、宙に浮いてる状態になった。


「じゃあ乗って」


 そういってフヨコさんは杖に乗って私の前に現れた。

 その後に続いてトウカさんが現れた。


「フヨコ、もうちょっと優しくしてやれよ」

「フンッ」

「ごめんな、今は機嫌が悪いわ。まぁ、後ろ乗る分には問題ないからとりあえずフヨコ後ろに掴まりな」


 言われた通り、フヨコさんの後ろに行き、フヨコさんに掴まりながら杖に座った。


「準備できたね。じゃあ契約しにいくよ」


 そういってシラベさんが先導していく。


「しっかり掴まってなさい」


 そうフヨコさんが呟くと一気に加速した。

 私は怖くてフヨコさんにギュッと掴まり目を瞑った。


 しばらく浮遊感を味わいながら、いつ落ちてしまわないか不安になりながら必死にフヨコさんにしがみついた。

 そのせいで、フヨコさんから苦情はあったけど、私はそれどころじゃなかったので、スルーしてしまった。


 ついた所は薄暗く、魔法よりSFを感じさせる見たことのない機械と液体の詰まった人間より大きい容器が複数設置された通路だった。


「このさきが契約する場所だ。ここは・・・まぁそのうち機会があれば紹介しよう。とりあえず、この先を進みたまえ。残念ながら一人で行かないと駄目な場所でな。契約するのはよくいる不思議な生物だが、呪獣でもなければ、キモい生物でもない。不安な気持ちはあるだろうが、気にするな。ぬいぐるみみたいなやつが奥にいるからそいつにちゃんと契約をしてもらえ。まぁ行けばわかる」

「さっさと行きな。ウチらはここでアンタが帰ってくるの待たなくちゃいけないんだから」

「まぁそういうことだからさっさと行って契約済ませてきな」


 せかされるように私は奥の方へ進んだ。

 このよくわからない機械と液体が音を不定期に鳴らすせいで余計にびっくりする。

 5分程一本道を進み、たどり着いた扉は金属でできていて、今から魔法使いになるのにラスボスと対峙する気分になってしまう。

 かなり緊張しながらも、金属の扉を開ける。


 扉の先はパソコンと本棚と、ぬいぐるみとベッドしかなく、他には何もない場所だった。

 さっきまでの金属の扉はいつの間にか無くなっていて、白い壁紙に花の模様が入っていて優しい香りが部屋に広がっている。


「こっちにおいでよ」


 そう言われて声のする方を向くと熊のぬいぐるみがとことこ歩いていた。


「ほら、緊張してるんでしょ?このぬいぐるみはリラックス効果あるから抱きしめてみて」


 そういってハムスターのぬいぐるみを渡された。

 言われた通り抱きしめてみると本当にさっきまでの緊張が無くなり、落ち着いて部屋を見る事ができた。


「ちょっとお話しようよ」


 そういってちゃぶ台とコップをどこから取り出した。

 なんか空間に穴が開いて出てきたけど、これまでの事もあってどこか冷静で見ていた。


「さて、君の事色々聞かせてよ。僕、人の話聞くの大好きなんだ」

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