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夏休みは合宿です


「明日から夏休みに入るが、魔法の習得は怠らないようにな」


 相変わらず、可愛い声のゴウマ先生の話を聞きながら、考え事をする。


 昨日の模擬戦後、シラベさんが


「明後日から夏休みなるわけだが、我々のチームは森の中でキャンプをする。私は時々不在になるが、それでもいる時間の方が多いようにする。サポートに一人連れてくるが、お前達も連れてきたい友人がいるなら連れてきても構わない。ただし、キャンプをする理由は自然を利用した強化合宿だ。遊びに行くわけではないから注意しろ。必要事項はすでにチャットで送った通りだ。何か疑問や質問があれば、随時チャットで送れ」


 と言われた。

 そう、休みなのに休みではない。

 といっても休みの間の予定もないし、興味がないわけではないから行きたいけど、問題は友人。


 シラベさんはサポートに一人連れてくるのが確定してる。

 シンラ先輩は元々別のチームに所属しているわけだし、その辺りから連れてくると思う。

 トウカ先輩とフヨコ先輩もわからないけど、交友関係が広そうで誰か連れてくると思う。

 チヨ先生も、これを気にみんなに詠唱を覚えてもらう為にゲストを連れてくると言ってた。


 残るは私。

 誘いたい反面、断られたらどうしようという気持ちになって困る。


「カラネちゃんはこの夏休みどうするの?」


 隣の席のマンラちゃんが話しかけてくる。

 少し悩んでから答える。


「えっとチームで合宿するよ」

「そうなの!?いいな~!私も早くチーム組みたい!」


 チームは呪獣が現れた際に協力して戦うチームを指す。

 だから、チームとは戦術隊の一つとして組み込まれる。

 私たちのチームがシラベさんがいるから作れている特例のチーム。


 チーム入るのは戦術隊に入るのと同じ事で、基本的に3年生の戦術隊に所属している人にスカウトを受けて、いろんな課題が与えられて合格したら入れる。


「マンラちゃんは、何か予定あるの?」

「特にないから困ってるの!ねぇねぇ、私もその合宿に参加できないかな?」

「えっ!?」


 それは願っても無いことだけど


「えっとね。合宿だから遊ぶために行くわけじゃないよ?きつくて苦しいかも知れないけど大丈夫?」

「うん!私これでも強いから平気だよ!」


 ちょっと心配になる。

 うーん、他の人に判断を委ねるべきかな。


 考え事をしていると、背中をチョンチョンと押されたので振り返るとジュオンちゃんがいた。


「んーも行く!」


 ちょっと困ってきたので、シラベさんの所に後で行こう。

 一度、他の人に聞いてみるから待っててと頼み、放課後にシラベさんの所へ行くことにした。


 希望者はいつも仲良くしてるメンバーでマンラちゃんとジュオンちゃん、それからハネちゃんとリュウネちゃんの四人が希望した。


~・~・~


 授業が終わり、特別授業として今日はチヨ先生が相手だった。


「カラネさん。私が今から殴るので頑張って避けてくださいね」


 そういって、準備する間もなく走ってきた。

 私は変身し、《逃避》を使って回り込む。


「残念ですが、私にはそれ、聞きませんよ」


 まるで後ろに目が付いているかのように私が移動してすぐに殴ってきた。

 移動したばかりで、感覚が安定せず、直接殴りを受けてしまった。


「どうですか?衝撃のみの攻撃は。治癒魔法を相手に殴って発動させる。対人間用に開発された魔法ですよ。今まではこういう経験無いですし、新鮮ですよね。ですが、これからどんな相手でも大丈夫なように特訓ですよ。というわけで見ているお三方も参加してくださいね。私なら四人相手でも捌けますので」


「へぇ、いうじゃん。やってやんよ」

「合意するわけではありませんが、チヨ先生私達のこと舐めてます?」

「なんで、安い挑発に乗ってんのよ。アンタらは。ていっても少しウチもイラっとしたけど」


 意外と沸点の低い先輩方。

 いや、何となく理由をつけて戦いたいだけな気もするけど、初めての共同戦線な気がする。


「あなた達は、対人戦は殆どせずに呪獣との戦闘想定でしか訓練をしていないじゃないですか。対人戦ももっとやらないとこの間のシンラさんだって、対人経験と相手を侮った故に負けていたじゃないですか」


 火に油を注ぐように話すチヨ先生。


「連携は中々でも、ダメですね。はい」

「えっ、いっっった!」

「まずは一人目ですね。次はだれが来ますか?」


 トウカ先輩の動きに合わせて、更に早く動いて、脛に攻撃した。

 鈍い音が聞こえた気がするけど、痛がっているだけで、怪我を負ったようすは無い。


「ちょっと、あのトウカが痛みを感じるほどって相当じゃない!」

「そうですね。トウカさんがあんな様子・・・かなりやばそうですね」


 もしかして、私に与えた一撃かなり手加減してくれた?


「カラネさん。攻撃はもっとうまく隠してやりましょうね。バレバレですよ」


 私が静かに離れて魔法の球を投げたのを気づかれた。

 やっぱり、後ろにも目がついてるんじゃないかな。


「フヨコさん。お得意の付与魔法はまだですか?」

「発動してるのに妨害を受けてるんだって。まともに魔法が発動させられないの」

「ちゃんと妨害されていることに気が付けて偉いですが、妨害された結果についても考えましょうね」

「は?なんでウチの魔法がアンタに」

「秘密ですよ。魔法少女同士でも手札は全て見せないんですよ」


 チヨ先生がフヨコ先輩がシンラ先輩へ発動した付与魔法が、全て妨害されて結果、チヨ先生に付与魔法が発動してる。


「いくら3年生と言えどもまだまだですね。ほら、シンラさんももっと早く素早くわかりづらく投げないとそんな丸見えのトロトロした針はいくらでも回避できますよ」


 そういいながら、回って針を送り返す。


「こんな感じにカウンターなんてできるんですから、いくら自身の魔法でももっとうまく使わないと聞かないですよ」


 傍から攻撃の隙を探しながら見ていたけど、あの三人が連携してこうげきしてるのに全て捌いて、最後には殴っている。


 攻撃をする隙がわからないし、私は新しいことに挑戦する。

 心の中でごめんなさいといい呪力を練る。


 私がするのは呪いをかける事。

 呪いの内容はチヨ先生の右腕封じ、右足封じ。

 行動制限をかける為に呪いをかける。


 三人が連携を取ってこっちに気づいていないうちに集中して練り続ける。


「さすがにそれはまずいので止めますよ」


 そういって、私はチヨ先生の強烈なチョップで気絶した。

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