特別授業の一週間 5日目
5日目
「カラネ。シンラから聞いたが相当ノーコンらしいな。まずは今日はそれを治そう」
トウカ先輩の今日の授業は罵倒から始まった。
いや、まぁ私は確かにノーコンだけど、そんなに酷いと思われているのか、少し心外。
私は渋々魔法で玉を生成し、トウカ先輩に言われた通り、いつも通り投げる。
投げた玉は遠くへ行かず、辛うじて前へ飛んで1mくらいの場所に落ちて消える。
ちょっと運が悪いなぁ。
運が良ければ5mとか飛ぶんだけど、運悪いと1mも飛ばないどころか後ろへ飛んでいく。
「カラネ。申し訳ないけど、あと9回投げてみてくれないか」
言われた通り、残り9回投げる。
二投目は3mほど飛んだ。
三投目は4mほど飛んだ。
四投目を投げようとした所でストップが入った。
「ちょっと待って。カラネ、リリースポイント、どのタイミングで離すか意識して投げてみよう。まずはそれから治したらちゃんと飛ぶから」
えっと、投げるタイミングを意識するでいいのかな。
よくわからないけど、離すタイミングを意識して投げる。
意識したことがなかったから気づかなかったけど、顔の真横らへんに来たタイミングで投げていた。
腕が伸びてないし、真横のタイミングだから全然力入らず、まともに投げれていなかった。
私は、一度魔法の球を生成しないで、フォームの確認をする。
ゆっくり動作を意識して、投げる、球を手から離すタイミングを意識する。
私は腕が伸びきったタイミングで投げるのがベストだと思い、五投目を投げる。
五投目は10mほどまっすぐ飛び、私の今までで一番いい球を投げたと思う。
「その調子。残り5回投げ切ってみな」
言われたまま、残り5回投げ切る。
六投目、15m。
七投目、15m。
少しフォームを変えて
八投目、10m
フォームを戻して、投げ方を意識して
九投目、20m
投げ方を変えて
十投目、21mという結果になった。
「実際に動いている的に当てるのは難しいから要練習だね。さて、本題だけど、今日は近接戦闘を練習する。その他、未分類のカラネがこれからどのように進むか不明だけど、戦いにおいて近接戦闘は必須になる。それは勝つためのモノではなく、負けないための戦闘だ。オレが教えるのは肉体の物理、近接の指導ばかりだから、身体の負担がでかいかもしれないが、何とかついてきてくれると助かる。じゃあ、受け身から取る練習からだ」
そういって様々な攻撃を受けた。
投げる、足払い、突撃などの攻撃を受けた後の対処法を教えてもらう。
これはわざと攻撃を受けるよう勧めるのではなくて、初めに言った通り、負けない為の手段の一つとして、攻撃を受けてしまった際でも、受け身を取ることでダメージの緩和や次への行動、カウンターなどができるように攻撃をするたびに説明してくれる。
ただ、私は攻撃を受けているからなんて言ったのか聞き取れないところもあった。
一通り攻撃を受けた後はもう一度攻撃を受けて、今度は説明無しに私が考え、それを実行するように頑張った。
じゃないと、痛すぎて後の行動に響くからと思い、なるべく受け身を私なりに説明を踏まえて行った。
それぞれの攻撃を更に3回ずつ受けて、今日は終わった。
「日はまだ落ちてないが、今日は肉体的疲労がいつも以上に蓄積しているはずだからしっかり休んで明日以降に備えて。あとはちゃんと戦術考えてるか?明後日までに攻撃手段をしっかり持って挑めよ。じゃあ今日は終わり。お疲れ様」




