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特別授業の一週間 3日目後半


 チャイムが鳴るとフヨコ先輩の杖の先が私の肩に触れる。


 結構な至近距離なのに魔法名が聞こえなかったけど、何か魔法を使用した。


「じゃあ、次は魔力操作ね。早く魔法を発動する。さっきは杖を見ないで魔力を流す練習をしたわ。今度は見ながらでもいいから、ウチが合格と言える速度を出せるまで体の中の魔力を循環させなさい」


 そういえば、体の中の魔力の流れる速さを意識して変えた事がない。

 魔力を意識してみる。


 血液の流れを感じとるのが難しいのに対し、魔力を感じるのは意外と簡単に感じ取れる。


 魔力を感じるのは簡単でも操るのは難しい。

 それを速度を操るにはどうすればいいのかな。


 とりあえず、流す感覚で魔力を循環させる。

 うん?この感じでいいみたい。

 魔力の流れに強弱をつける。


 強くすれば速くながれるけど、クラっとふらつきそうになる。


「まぁ、事前通り、魔力操作自体は得意なのね。今、クラっと来たのは魔力の筋肉痛のようなものよ。魔力を意識的に操る以上、今まで使ってこなかった部分を使う事になる。それを急に強めるのだから、準備運動もせずに全速疾走して足が痛いだの、肉離れ起こしただの、その類だから、急に強めないで徐々に強めて、ほどほどの速度で慣れるまで行い徐々に強い速度でも大丈夫になっていきなさい。これも日頃からやっておくこと。で次なんだけど」


 そういって、私の後ろに立つ。


「振り返らず、座らないで頑張って立っていなさい」


 振り返って見ようと考えた瞬間に言われた。

 フヨコ先輩は私を休憩終わりに肩に触れたように、さっきとは反対の私の肩に杖を当てた。

 見えないけど、肩に硬いものが当たっている感覚がある。


「ウチが今から魔法を使ってアンタにかかっている重力の強さを上げるわ。アンタは潰されないように杖が触れていない方に予め魔法陣を付けて置いたからそれを魔力を注いで発動させなさい。ウチが10数えるからその間、反対の魔法陣を発動させて耐えきるのよ。分かった?」

「は、はい!」

「じゃあ始め。いーち」


 一気に体に負荷がかかる。

 なんとか耐えられるけど、少ししんどい。


 けど、魔力を流して魔法陣を発動させる必要がある。

 私は、身体に力を入れながら、魔法陣に魔力が流れて発動するように意識する。


 どちらかに気を取られて油断したら、座ってしまうし、魔法を発動させられない。

 身体に力を入れているせいか、さっきみたいに魔力が流せず、魔力の巡回が悪い。


「にー」


 負荷が増えて、身体に力を込めている。

 その影響で、魔力に意識が割けない。


「さー、アウトね。まぁ、始めはこんなものかしらね。じゃあ5分間の休憩後、成功するまで繰り返すわよ」


 その日、私が重力に耐えられる事は無かった。

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