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特別授業の一週間 3日目前半


 3日目


 今日は一日魔法の習得する日だったので、特別授業を一日行う事になった。


「ウチの番ね。ウチは魔法について講義形式で教えるわ」


 フヨコ先輩から魔法の指導が入る。


「アンタにとって早い話になるけど、魔法少女は殆どが呪獣退治に駆り出される。街でお店を出している魔法少女ですら、駆り出されて定期的に呪獣を狩っている。だから、戦いは魔法少女になった以上強要される覚悟は多分、契約精霊から聞かれているはずよね。いまさら覚悟は問わない。でも、闇雲に戦うのは違うわ。ウチはトウカとコンビを組んで戦っている。シンラは部隊になって戦っている。他人と協力して戦う必要がある。簡単にいうと武器と防具って話。トウカが武器で、ウチが防具となって、二人で退治する。アンタなら実際に襲われたわけだし、身に覚えがあるでしょ?」


 確かに、あの時トウカ先輩が私をメインで攻撃して、フヨコ先輩が補助に回っていた。


「アタッカーとサポータ。ウチはサポータ、支援向きだから、その視点からアンタを教育するわ」

「よろしくお願いします」

「じゃあ、早速だけど、杖を光らせてみなさい」


 言われた通り、杖を光らせてみる。


「そう、まず視線。アタッカーでもそうだけど、サポータは気配を消して魔法を使う必要がある。相手の敵意を買わないようにするためにね。アタッカーの邪魔にならないように行動する。視線で何をするかバレてしまうのは駄目だし、視線を敵に向ける又は戦場に向けていないと死ぬわ。杖に視線を向けるのは駄目。次に魔法の発動ももっと早く行いなさい。アンタならもっと早く魔力を動かせるはずよ。杖に魔力を送った後の魔法発動も遅い。速度も大事。魔法発動もばれないように行いなさい。例えばこんな風にね《(ライト)》」


 フヨコ先輩は杖を腕で回転させて、魔法を発動した。


 杖は光っているけど、魔法を使った瞬間に出る魔法陣が一瞬でも見えなかったし、魔力を流したタイミングも気が付かなかった。


「こんな感じで相手の視線を逸らす、誤魔化す、モノや地形を利用するなんて色々手法はあるけど、状況や大げさに何かしていると他に目がいかずに大きな動作の方へ視線が行くでしょ?(ライト)はウチの得意の付与魔法の部類で初級編の魔法だからパッとやってみせたけど、ここまでじゃないにしろ近いところまでは出来るはずよ。とりあえず、今行った事を意識してやってみないさい。同時じゃなくてまずは一つ一つやっていくのよ」


 まずは視線。

 杖に視線を向けず先輩の事を見ながら《(ライト)》を呟く。


 ちゃんと成功しているのか確認するために手元をチラ見する。無事魔法を発動できたけど、魔力を流すのに見ている時より遅くなってしまった。


「そう、手元を見ないで魔力を注ぎ、魔法を発動するのはパソコンやゲームなんかに近いかもしれないわね。つまり慣れよ。見た感じまだ魔法を使い慣れていないから魔法に成功したか感覚でわからないのでしょう?チラ見していたのも気づかれてるわよ。とりあえず、何度も同じようにやりなさい。ウチが合格というまでずっとね」


 状態としては立って鞄を持つように杖を持っている。

 だから手は足の方にあって前を見ていたら見えない。

 下を見ないように、先輩を見て魔法を発動し、魔法が成功した感覚を掴む。


 それから棒立ちでずっと魔法を使う。

 フヨコ先輩が何か魔法を使っているのか、立っている事に疲労が無く、偶に魔力の流れが良くなる。


 それからチャイムが聞こえるまで魔法を使い続けた。



「まぁ、合格かしらね。今日のところは、だけど。これは日頃からやって置くことをお勧めするわ。筋トレと思って毎日十セットはしなさい。ひとまず休憩をとるけど、この後のチャイムからはより効率的に魔力を流し、魔法を早く発動させるようにするわよ」


 今日は昨日と同じくチヨ先生のみがいた。

 今日も水筒やタオルをくれる。タオルが非常に心地よくて落ち着く。

 チャイムが鳴るまで水を飲んでからタオルに顔を埋めて休憩した。

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