特別授業を受ける事が決まりました
「カラネ、しばらくそこにいろ」
有無を言わさず私を座らせて魔法を使った。
魔法は一つではなく、いくつもの魔法使用して、私の体の周りにいくつもの魔法陣が浮かび消えていく。
「ふう、やはりそうだな。カラネ」
「は、はい!」
「お前、馬鹿か。いや、大馬鹿が!!」
「っ」
「はぁ、気づいていないのか知らんが、死ぬつもりか?呪いを解呪する目的の為に自己犠牲になるなといった記憶は無いが、一般的に自分大事に断るなり、途中でやるなり出来たはずだが?いや、今回は私が途中で違和感を持った時点で止めにかかるべきだったか」
「えっとその・・・」
「なんだ?」
「私、呪い受けてるんですか?」
「は?」
確かに無理矢理取り込んだ事で、痛みを感じた。
けど、これは病気になった時に関節が痛くなったり、頭が痛くなるのと同じで、私の呪獣の力が取り込んだ呪獣の力を抑圧した事で生まれた痛みばかりだった。
だから、時には酷く痛むことは合っても一時的な事だったから、我慢するだけで良かった。
呪いに関しては、本当に感じていない。
何か体に不調があるかと言われれば、呪獣の力を多く取り込んだ事で、満腹感ではないけど、胸が苦しい感じはあるけど、他に異常を感じる所はない。
「すまない、今は何も無いのか?」
「はい、痛みとか動かないとか一切ないです」
「そうか、いや、うむ。そうだな」
シラベさんはしばらく考え込んだ。
沈黙の時間が続く中、私達の居た場所のカーテンが開かれた。
「あ、やっぱり、まだいらっしゃいましたね。先生。それとカラネさん」
「あぁ、起きたかシンラ。体調は大丈夫なのか?」
「えぇ、すっかり元気です。それに足の感覚がちゃんと久しぶりに感じる事が出来ます。ありがとうございます。カラネさん」
足踏みをしてから、綺麗なお辞儀をして感謝を伝えてくれる。
正直私にはそんな資格無いのに
「あ、いえ、それより、私が未熟で魔力切れにしてしまってごめんなさい」
「いえいえ、その程度大丈夫ですよ。今度、お礼にお茶会をしましょうね。魔力切れの件を気にするなら、お茶会に必ず参加する事を約束していただければいいですよ」
「お茶会・・・作法とかわからないですが、よければ是非」
ちょっと、圧を感じつつも承諾をする。
お茶会とかしたことが無いから興味がある。
けど、礼儀作法などを知らないから不参加は寧ろ失礼に当たりそうな気がするので、参加する事にした。
「はい、また後日連絡しますね。それより、シラベ先生」
「なんだ?」
「カラネさんが解呪出来る事、すでに広まっていますが、何か対策を考えてあるのですか?」
「あぁ、そのことか。一応な。後でトウカ達にも連絡するつもりだが、お前にこっちの事を任せるか」
「なんですか?」
そう言って、私とシンラ先輩の端末に通知が届く。
通知内容は、グループチャットの招待だった。
通知を確認した私はシラベさんの方を見ると参加を押せと言われたので参加をする。
「カラネ、完全に私のせいでもあるが、完全に解呪できるお前は、他の魔法少女、特に戦場に出ている魔法少女達から重要な人物として扱われる。基本チームで行動する魔法少女達はお前を引き入れようとあれこれと手段を使って勧誘してくるだろう。そうすると学業に支障をきたす。だから、先にチームを作って、勧誘除けをすると同時に、勧誘以外の学外の魔法少女。卒業した魔法少女達にとってもお前の解呪の力は魅力的で、場合によっては誘拐拉致監禁等起きなくもない。そこでしばらくの間、特別授業をすることになった」
「特別授業・・・ですか?」
「あぁ、そもそも、一年というか魔法少女としてお前の魔力操作は群を抜いて優れている。一か月もしない内に一年で覚える最低限の魔法は完璧に覚えきる事が出来るだろう。とはいえ、ジュオンのような学友という存在も必要だから、部分的に特別授業となる」
一部の授業だけ特別授業になる。
特別というのは嬉しい反面、みんなと一緒の事ができないというのは悲しい。
でも、シラベさんとしてはちゃんと考えがあっての提案。そもそもちゃんと出来なかったら起きなかった事。
私が特別扱いされていいのか不安になりながらも、理解する事にした。
「先生。私は既にチームがあるのですが」
「お前は、しばらく戦場から離れて指揮に徹していただろ。今、戦場に戻っても感覚を忘れているだろうが。勘を取り戻すまでの間、カラネに付き合え」
「・・・はい。わかりました。カラネさん。よろしくね」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」
シラベさんは手を叩いて注目を浴びる。
「はぁ、チヨ。隠れて盗み聞きしないでさっさと話しに参加しろ」
チヨ先生がシンラ先輩の背後から顔を出した。
ちょっと拗ねたように話す。
「いえ、タイミングが中々ないなって、見計らっていただけで、盗み聞きなんてそんな悪い事はしてないわよ」
「特別授業は、カラネ、シンラお前ら2人とトウカ、フヨコ、私にチヨの6名をチームと特別授業を行う」
ガッツリシラベさんはチヨ先生の事をスルーして、話を進める。
さっきの招待は私にシンラ先輩。トウカさんとフヨコさん。シラベさんとチヨ先生の6人のチームのグループチャットだったようだ。
「ちょっと、シラベ。勝手に話進めないでよ」
「どうせ、大丈夫だろ。フヨコ。それにお前達が元々面倒を見る事になっていただろ。問題は無いはずだが」
「だからって相談なしに進めんじゃないわよ」
ずかずかとフヨコさんが入ってきて、後ろからトウカさんがなだめている。
既に解呪を終えた人は時間も時間なので帰宅している。
なので、大声を出しても迷惑にならないはずだけど、ちょっと心臓に悪い。
「で、ウチ達がこいつらをビシバシ鍛えればいいわけ?」
「戦闘は得意だから任せて欲しい」
「私も怪我くらいならすぐに治してあげられるから任せて欲しいわ」
「そうですね。これを気にリベンジさせてもらうわよ」
「いくらでもリベンジは受け付けるよ。オレ達はまだまだ負けてあげるつもりないからな」
「ふむ、これなら大丈夫そうだな」
「えっ、えっ?」
意外とみんな乗り気だった。




