全力疾走すると気持ちいいですよね
ジセキちゃんはトップに出てる。
それに対して私は最下位
差はそれなりに離れている。
素の身体能力とはいえ、普通の人よりも身体能力は上がっているわけで、距離は通常のリレーより長く走る必要がある。
せめて一つ前の人は抜かしたい。
けど、それでも少し遠くて届かない。
だから、最下位なら最下位なりに足掻くだけ
追いつかなきゃ、最下位から脱出しなきゃと焦り早くなり乱れる呼吸を、心音を整えながら、冷静に、落ち着いて、姿勢を整えて、腕を振り、膝を上げて、背筋を伸ばす。
出来るだけインコースで攻めて、カーブで加速し、距離を詰める。
仕掛ける時は仕掛けて一気に抜いて、力を入れる時と抜き時を気を付けながら前へ前へと目指す。
呼吸もリズムを乱さないように頭の中で数えて、肺が苦しく感じるのを緩和させる。
ジセキちゃんと2位との差はかなり離れているけど、2位と3位4位と差はあまり離れていないで並んでいるくらいだ。
私は近づいてからアウトコースで抜かすタイミングを見定める。
残りの距離は僅かとなり、次のカーブから直線でバトン交代だ。
私はカーブで加速させて、一気に抜くつもりで少し余力を残しながら走る。
他の人は直線で仕掛けるのか、少し力を抜いている気がするけど、それを考慮した上で加速する。
ミスしたらぶつかって危ないから、少し大きくカーブする。
方向転換で踏み込んだ足に力を入れて、姿勢を低くし、残りの力を直線で振り絞る。
一人、二人と抜かして、少し乱れた時に抜かされて、すぐに姿勢を整えて抜かし返してそして、私は何とか2番手でバトンを繋げた。
~・~・~
バトンを渡して、少し走ってからゆっくり歩くくらいまで速度を落として、道を外れる。
道を外れ、コースから離れて、少し休む。
邪魔にならないはずの位置に移動して、心臓や呼吸が戻るまで地面の上で横になる。
放送から聞こえるに、ワラビちゃんがそのまま2位を維持しながらも1位に近づいて、3位とは差を広げているみたい。
全力で走って少しすっきりした。
運動は苦手だけど、散歩とか走るのは好き。
スポーツとして行うのも苦手だけど、何も考えずただ走るのは好き。
汗を流して、走る事だけを意識して、空っぽに走っているはストレス発散になる。
ずっと精神的疲労が蓄積してたんだろうね。
肉体的疲労をすでに感じてるし、もうしばらく続きそうだけど、精神的疲労が少し解消された気がする。
今は凄く気持ちいい。
~・~・~
ワラビちゃんは1位に上がる事は無く、2位のままイチイちゃんへバトンを渡した。
イチイちゃんはアンカーで私たちの倍走る。
今の1位はキュウちゃんが走っている。
もう、結果が分かり切った雰囲気が漂い始めている。
1位と2位の差は広がる一方で、3位は徐々に上がり、4,5位は3位から離されつつある。
距離も倍とあって、2位と3位が入れ替わるのは時間の問題な気がする。
私は声援しながらも、イチイちゃんの走りを見守る。
「お疲れ様、イチイちゃん」
「カラネちゃんもお疲れだよ~」
結果としては3位になってゴールをした。
けど、惜しいところまでは行った。
追い上げがあり、それに対してイチイちゃんも1位へ追いつく為の追い上げをして、1,2,3位は並びかけていた。
イチイちゃんの追い上げでキュウちゃんは驚いたのかペースを乱していたからって言うのもあるけど、もしかしたら1位になっていた可能性だってあった。
かなり開いていた差が2,3位の追い上げで一気に詰めていたのは見ていてすごいと思った。
「イッチーお疲れだよ」
「イチイお疲れ様。カラネちゃんごめんね」
「イチイナイスファイト!」
「みんなあんがと~、この後どうする?」
「じゃあ、マンラちゃんの所から見て回るか」
他の競技の状況をかわゆいの四人と一緒に見て応援して回って過ごした。
あまり、周りに目を向けられていなかった事を感じながらも私はやるべきことを進める為にもっと頑張らなくちゃと改めて思った。
~・~・~
それから、あっという間に魔法披露会の時期が来た。




