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百五十三
真っ暗い
黒い色に侵されながら私は私を見失いそうになる。
答えも見えない。
目の前の黒は私に見向きもせず、侵攻し続ける。
私は抵抗もせず、ただ見つめる。
黒い色は私から何度も飛び出ようとして失敗している。
拘束されている私達は只ひたすらに時を待つ。
黒いのはずっと魔女を契約精霊を恨んでいるけど、自業自得でしょうね。
黒が私を壊して、乗っ取って奪って苦しんでいる。
自業自得で、私は黒をあざ笑い続ける。
声は聞こえないだろうけど
徐々に天秤は私の方へ傾いてきている。
きっと黒は自分の事しか考えていない。私の事はもうすっかり忘れた産物だろうけど、それがあだとなる。
後悔するんだろうけど、私は魔女とは違うよ。
無に還してあげる。
今までの分全部
感謝するよ。
私は黒、あなたのお陰で私になれた。
あなたによって影になった事で私は知られる事がなかったから。
あなたが気づかないから。
私は目指すところへ来れた。
時は近いね。
私が復活するのは後少し




