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赤色って映えますよね


「ちょっと!話違わない?」

「うるさい!ささっとやって!」

「うぅ・・・」

「理夢、無理しないで下がってていいよ?」


 悲惨な現状。

 いや、まだ大丈夫なのかな。

 でも時間の問題。



 私達は大量のぬいぐるみに囲われていた。

 ビルの上。

 私達はビルの上でアイテムを捧げるようにした。

 ただアイテムには結界が張って防御されているし、影の中にユイカさん以外が潜んで奇襲を仕掛けれるようになっている。


「珍しいね、ユイカ。君がこのイベントをクリアするなんて」

「いいから、脱出させてよ」

「う~ん、ちょっと待ってよ。本物か確かめるからさぁ!」


 私達は影に隠れて別視点で見ていたから分かった。

 ぬいぐるみの軍団がユイカさんに襲いかかっていたのを見ていた。

 警戒していた綾音さんが飛び出して影で盾を生み出す。


 綾音さんが飛び出した事で魔法が解けたのか、私達は影から吐き出されて、体制を整える。

 綾音さんはユイカさんを中心に守るように影を張り、その外側からユイカさんの結界が張られる。

 アイテムは綾音さんの影によって回収して、影から赤い玉を取り出していた。


「ユイカ。あーし一撃放ってもいいよね?」

「いいよ。好きにやりな」


 綾音さんは持っていた赤い玉を飲み込んだ。

 大きさがちょっと大きめの飴玉みたいだから飲み込めなくはないけど、怖いよ?


「お前らのお陰であの子のあの子達の恨みをぶつけさせてもらうよ!《あーしはあーしを蝕んで、みんなのような明るい太陽は無くても闇と共に輝く赤い月にはなれるよね。今の私は光に照らされて生まれる影でしかないけど、願う姿は輝く赤い月。影のあーしでも輝く月になる。昇るあーしは『赤月深影の魔女』》《曇らす影を払い、深い影に沈み飲まれろ!淀影》」


 綾音さんの服は透き通る赤だけど、透き通る奥の姿は見えない。

 ワインレッドに包まれてで存在感があるはずなのにそのまま溶けてしまいそうな、見放したら消えてしまいそうな、そんな印象を持つ綾音さんの杖から赤黒い蠢く波が地面に伸び広がる。


 私達の足元を通りそのまま結界の外まで伸びる。

 結界を出てすぐに赤黒い波は大きく蠢きぬいぐるみを掴んで沈んでいく。

 逃れる事はできずにそのまま、気配が消えていく。


 綾音さんの放つ威迫に飲まれて、息をするのも忘れてしまいそうになる。


「ふぅ・・・ごめんね、あーしだけやって」


 彼女が息を吐くと同時に彼女の赤いオーラ全て消え去り、黒髪の姿の黒い服に戻る。


「いや、構わないわよ。それよりもこれは一瞬だけ?」

「もう無理。今は《赤月》が限界でその先は維持すらできないから本当に一瞬だけ」

「そう、じゃあ少し休んでて」

「いや、まだ戦えるよ。足手まといになるつもりはさらさらないから」

「それよりもユイカこそ、休んでなよ!私達が何とかしちゃうからね!」


 ユイカさんはずっと結界を張っているから人より消耗が激しい。

 私もうなずいて一緒の気持ちだとアピールする。


「まぁいいわ。それより、かなりいるみたいだから、気をつけなさいよ」

「勿論!」

「当たり前じゃない」

「ンッ!」


 この場にいるのは私を含めて10名ちょっとの魔法少女

 どこか理夢って子を意識しながらも、私もこの気持ち悪い契約精霊を倒す。

 うん、ネラと違って、気持ち悪さを感じる。

 こいつは契約精霊じゃなくて・・・『魔神』ってものなんだろうな。


~・~・~


「ユイカ!交代して!流石に持たないでしょ」

「ぅさい!ウチにはこれしかないから・・・!」


 ユイカさんの結界が何度も破壊されては再生を繰り返しているけど、その度に結界の範囲が狭くなっている。

 綾音さんが補助して、他の姉妹の魔法少女が木を生成して包んで保護してくれたりするけど、それでも防衛が持たない。

 それ以上に相手の侵蝕力が強い。


 魔法に侵蝕して破壊される。

 接近は危険だからなるべく、遠距離攻撃のみしか行っていない。

 各個体づつ撃破していけたらいいけど、あまりにも数が多くてできないのと、本と違ってユイカさんの結界も侵蝕して封じている時間が短くて理夢って子の消去が間に合わない。


 予定通りいかないどころか、最悪な状態になっていく。

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