情報収集結果
「まずは、綾音調べる事できた?」
「うん、どこから話す?」
「ウチ達の共通となる敵の話からしようか、わかってる人もいるだろうけど、ウチらの敵は『侵蝕の魔神』や。こいつは今は契約精霊と名乗るぬいぐるみとなっとるわ」
契約精霊?
ネラの事?
ネラが『侵蝕の魔神』で私達の敵?
急な爆弾発言で困惑してると再び爆弾が投下される。
「こいつはウチらにとっての敵だった『魔女』を倒した野良の魔法少女すらをウチらに殺したら自由にする約束すら破り、あまつさえその子が使う呪われた獣を生み出す力をゲームの中に組み込んだ上に魔法少女が減ったら補給するように参加者・・・犠牲者を増やし続けている」
『魔女』を倒す?
『魔女』が敵だったってどういう事だろう?
確か、『魔女』事態が魔法少女の上位互換で、悪い事をしたら『魔神』に堕ちる。
契約精霊についてわかんないけど、『魔神』なら元魔法少女で元魔女だって事になる。
結局魔法少女が敵なのは変わらないんだ。
このゲーム参加者が増えてるの?
じゃあ最後の一人になるのって正直不可能に近くない?
「倒す方法について、居場所について、本で見た結果だけど、まず前提として、一体ではない。複数の契約精霊がそれぞれ本体である。そして一番警戒すべきは『侵蝕の魔神』というように『侵蝕』される事。下手に手出しすれば、ウチらが契約精霊になりかねない。倒す方法は簡単に言えば私の魔法と理夢の魔法で消去する合わせでやる。その補助に綾音頼むわ」
「勿論!」
「居場所はまぁ変わるけど、一ヶ所密集している場所があるからそこを叩くわ」
・・・
私はどうしようかな。
「けど、その前に脱出イベントだけど、これの攻略情報を調べたわ。おおよそ予想通りではあったけど、簡単に言えば「杖」「羽」「月」「服」「魂」の五つだけど、『侵蝕の魔神』が魔法少女になるための必要素材らしいわ。どんな仕組みかわからないけどね。ただ同時にうまく使う事ができればウチ達も魔法少女として強くなるらしいわ。一応、何か起きてしまう事故を防ぐ為にそれぞれ別の場所に管理しているのだけど、それは置いといて、これを扱うのはさっき言った三人とここを守るためのメンバーに割り振るから詳細はまたあとでね」
どういう仕組みで魔法少女になるんだろう?
それは少し気になるなぁ
「あーしらの敵を倒せば元の生活が送れるようになるはずだから、安心してみんなは待っててね!」
「私もがんばります」
・・・
あの子はどういう事なんだろう?
私がじっと理夢と呼ばれた子を見てると、海璃さんにどつかれた。
「私達はあっち行くよ!」
そういって上へあがる階段の方を指さす。
戻るってことかな
私は肯いてついていく。
一緒にユイカさんも来ていた。
「で?ユイカ、あれどこが本当の事でどこが嘘なの?」
「大体本当だわ。ただ、居場所はわからない。アイテムを5つ揃えて、とある場所に捧げる事がイベントのクリア条件だからそこで倒せばいいと思っているわ」
「もう!そんなんじゃリーダー勤まらないでしょ!」
「ウチ達のリーダーは綾音よ。一応ウチは参謀的なポジション」
「まったく」
私は話が途切れたタイミングで質問を投げる。
「あの、理夢って子って」
「あぁ、あなたと似てる子ね。その前にあなたと海璃には知っておくべきことがあるかしら」
「私にも?」
「えぇ、師匠の事よ。師匠の目的と今いる場所を知る事が出来たわ」
「本当!じゃあ師匠は!」
「その前にあなた、カラネって今は名乗っているのよね?」
「はい」
「・・・いや、やめましょう。理由は聞かないわ。ウチらの師匠の目的は二つ。このゲームを終わらせる事と『侵蝕の魔神』を倒す事らしいわ。居場所は不明が正解かしら?」
「というと?」
「居場所については複数回答が上がったのよ」
うーん?
「それに回答によっては理夢自身だともカラネ自身ともカラネの中にいるとも出るのだから困惑状態だわ」
「・・・?どういうことですか?」
「それが分かればウチも困っていないわ」
「まぁ現状師匠の居場所は不明ってことね!」
「そうなのよね」
私の中にいる?
呪力・・・?
食べた子の中にいたとか?
う~ん・・・
あっ、そういえば
「『魔女』が敵だったって言ってましたけど、『魔女』って?」
「あぁ、あの子が倒した『魔女』ね。そういえば師匠も『魔女』を名乗っていたから殺したくて仕方ない相手だったわ」
「カラネは知らないんだね!『魔女』は前回の〖魔女千戦〗の勝者と言われているわ。ただ、確かに強いけど、あの子・・・結局名前すら聞けないまま別れてしまったから言えないのだけど、彼女はかなり強くて魔女以上、格下の如く戦っていたのと師匠と比べて弱く感じたから本当に師匠の品格落としに来ているのかと思ったよ!」
「本当にね。あの『魔女』は人を甚振るのが好きでね。ウチで保護しているメンバーも一度危ない所まで攻め過ぎていたわ」
「あの時は間一髪って感じだったらしいからね!」
「本当よ。これでも名前を聞けなかった子に感謝してるの。同時に罪悪感が凄くて魔法を使えなくなる子もいるくらいよ」
「私がやるって言ったのにね!契約精霊を私達が信じすぎてたせいでね。約束を守ると思って信じて行動した結果だから仕方ないともいえるのに!」
「そう簡単に割り切れるものではないわ」
うん。
みんなちゃんと『魔女』は敵だったんだね。
ただ聞いてる感じ、強いって感じじゃないのかな?
勝者って事は強そうな気がするけど。
それと名前の知らない女の子。
どんな子だったんだろう?
それこそ私の中には私達がいた空間を維持している女性。恐らく彼女は『魔女』レベルなんだけど、そんな人をイメージした。
「これから、少数精鋭で出動させて、アイテムを捧げると同時にウチの魔法で封じ込めて倒そうと考えているのだけど、あなたたちも来るかしら?」
「勿論だよ!カラネは?」
「私も戦います!」
「ありがとう」




