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終焉の炎を操りし者


 私の目的は、目の前の子を連れていく事。

 ただ私の魔法の中には捕獲に向いた魔法は無い。


 呪力によって呪いによって捕獲するのが向いてると思うから、呪いを操って捕獲を目指してみる。


 大きな爆炎を生み出して私の方へ炎が走ってくる。

 近づいてくる炎だけじゃなくて他の事にも気を付けながら、炎を避けて呪いを使う。


 ここで使うのはジュオンちゃんのように嗅覚が鋭くなるように、肌が敏感になる呪いを私自身に発動する。

 呪いを取り込まないようにただ作用するように留める。

 同時に温度がわからないようになる呪いも自分にかける。


 食事で言えば、味は無いけど食感はある感じにする。


 これで、肌感覚で魔法の場所をわかるようになるはず。

 逆に相手には私の可能な限りの呪いをかけていく。


 部位を指定してどう作用してほしいか考えて呪いを使っていたけど、今度は具体的な内容は決めずに只ひたすらに相手に不都合なように作用するように願う。


 ボトリ


 私の腕が腐り落ちて、真っ黒に染まる。

 肩からは血が出る事は無く、痛みも感じない。

 落ちた腕は黒くなってすぐとびかかるように動き始めた。


「なんやこれ!気持ち悪いわ!」


 飛び掛かる腕を火柱が壁となり、燃やそうとするも燃える事も減速する事もなく、まっすぐに彼女の体に溶け込んだ。


「はぁ?なんや今の・・・あぁ?アアアアアアア痛い痛いわ、苦しい焼ける、痛い痛い痛いいたいいたいイタイイタイイタイ」


 急に藻掻くように倒れて、炎が消え去る。

 私を襲おうとしていた炎が方向を変えて彼女自身を燃やすように動き始める。

 胸元をかきむしり、焼き溶かそうとするも胸元は黒く変色して、引掻く指の方が血まみれになって爪が割れている。


「カラネちゃん怖いね!なにしたの?」

「わかんないです・・・ただ呪いを発動させただけなので」

「そっか!ところでその腕は治るの?」

「あっ、ちょっと待ってください」


 私は一度呪獣の姿になって人型に戻る。

 私の腕は正常通りに戻っていて、感覚も通常通りになっている。

 海璃さんのバフも消えて、私自身がかけた呪いも消えている。


「なんかすごいね!人じゃなくなってるじゃん!」

「えぇ・・・まぁ、魔法少女ですし?」

「え~化物じゃん!じゃなくて、種島ちゃんの事どうする?」

「どうしましょうね」

「まぁ、目的は杖の方だから、本人は放置して、落ちてる杖を持ってちゃえばいいんだけどね!」

「うわぁ・・・かわいそうじゃないです?」

「やった本人が言う?」


 それはそう。

 とはいえ、このまま放置は可哀想だと感じるからなぁ


「なにか便利な姿とかないですか?」

「う~ん、逆にカラネちゃんは無いの?」

「あんまりですね」

「頑張って自分の尻拭いしてみようか!」

「・・・はい」


 別に捕獲というか檻は出来る。

 けど、状態としては口の中に入れておく感じなんだよね。

 さすがに口の中で燃え始めたら苦しいんだけど


 海璃さんはユニコーンの姿になっているので、私は姿を変えて、燃え尽きて意識をなくしている女の子を口に含み、馬車になってみる。

 サイズとして難しいかと思ったけど意外と何とかなるもので、ユニコーンに装飾を施したうえで馬車のような姿になり、中に燃え尽きた女の子がいる。


 私と女の子の様子を確認した海璃さんは走り始める。

 かなり揺れるだろうけど、まぁいいよね。道は比較的整備されてるから揺れはまだましなはず。


~・~・~


 走り始めて、しばらくしてから海璃さんの師匠の家まであと数分の所で、女の子の胸元の変色は元に戻っていて、呼吸も落ち着いた呼吸になっている。

 一安心しながら、様子を見つつたどり着くのを待つ。


~・~・~


「なるほどね。話は分かったわ。でも、いい感じにやってくれたわ。彼女の杖は呪われた状態にしないといけない。呪われた獣になる必要があった。それをしなくて済むのは助かるわ」

「ねぇ、ユイカは何読んでるの?」


 ユイカさんは椅子に座りながら、本を読んでいた。

 しかも割と優雅に


「これはあなたが出してきた師匠の本よ。読むには師匠の魔力が必要だった。けど、師匠の魔力以外でも読むことが出来てしまってね。今は読み漁って情報をまとめているのよ。そうそう、あなたたちがいない間にいくつかわかったことがあるわ。ほら、言ったでしょ?ウチがここに来た理由は連れてきてからって」


 本を閉じて、ユイカさんが眠る女の子を魔法で閉じこめてから地下へ続く階段を下りていく。

 こんな場所あったんだ。


「因みにだけど、この先で何があっても暴れないで」

「勿論!」

「はい」


 一つの木製扉の前で立ち止まり、ノックをする。

 

「青いロボットに?」

「どら焼き」

「黄色いロボットに?」

「メロンパン」

「あなたの晩御飯は?」

「食パン」


 扉が開かれて、ユイカさんが入っていく。

 なんか聞き覚えあるというか、デジャブのようでなんか違う


 扉の中に入ると、そこには見覚えのある人達が本を読み、紙に記してまとめていた。

 ユイカさんが手を叩いて、注目を集める。


「全員そろったから、話し合いを行うわ」

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