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無名の魔女 S24


 立ちすくむ私の目の前の空間が裂ける。


 何か出てくるような、何が出てくるのか怯える私はその空間をただ見る事しかできなかった。


 裂けた空間から一つの紙が落ちる。


 紙が落ちて地に着くと同時に空間は逆再生のように戻り、重圧を感じなくなったと感じると共に今まで時が止まっていたかと思うほどの静けさが、風が吹いて葉が揺れる音で私は、はっ正気に戻った。

 先ほどの光景が嘘のような、幻のような、そんな緊張感を感じていたけど、地面に落ちる紙の存在が嘘でも幻でもないと思わせる。


 正気に戻った私は、腰が抜けてその場に座り込む。

 しばらくボーとしてしまったけど、とりあえず目の前に落ちた紙を拾う。


 ノートの切れ端のような紙にを二つに畳んだだけの紙。


 私は恐る恐る紙の開く。


~・~・~


 第一段階達成おめでとう。

 色々伝えたい事はあるけど、簡潔に伝える必要があるから簡潔に。


 あなたがこれから自称王と思っている存在、『魔神』にはほぼ確定で敗北する。

 敗北後再びあなたは世界を渡る事になるけど、その度に世界は大きく変化する。

 しかし、それを受け入れろ。変化をし続けた先に答えがあるから。


 苦しくて辛くて誰にも言えない状態が何度も続くだろうけど、しばらくの辛抱だから、いつかを希望に頑張って。


 あなたがやる事はただ一つ。世界を何度も何度もやり直すこと。

 終わりは自然とわかるから頑張ってね。


 ※この紙はすべて確認後自然消滅します。


~・~・~


 読んで読み直そうと思ったらすぐに消えた。

 でも、頭に完全に入り込んでいて、文を全部暗記していてびっくりした。


 なんでかな・・・

 私が勝てないってはっきり言われて怒る感情は沸くのに、同じくらいスッと理解してしまって謎の安心があって複雑な気持ち。


 はぁ・・・とはいえ死なないと平行世界へ渡る《逃避》は使えない

 だから、私は何度でも挑むことになるのかな。


 というか、第一段階?タイミング的には魔法を1000個覚えた事だと思うけど、何の段階なんだろう。


 ・・・一層の事割り切ってやってしまうのがいいのかな?

 私は残り人数を見て考える。


 100人近くいる。

 ふぅ・・・そうだよね


 あの手紙は自称王ではなくて『魔神』よりも強い相手なのはわかる。

 だって私はすでに『魔神』と出会ったことがあるけど、一瞬だけ出てきた手紙の差出人の方が怖くて何も考えられないでいた。

 『魔神』は何も感じずただ、ああ駄目だなって思った思考する余裕があったからその差は違いが大きいはず。


 それに事情をすべて知っているような相手。私が世界を渡る事も『魔神』に挑もうとしているのも知っている相手だから『魔神』よりも私を知っている相手。

 そんな相手が勝てないし、何度も世界を繰り返すことになるのを応援してくれているのなら、はっきりと言ってくれる相手なら信じていいと思う。


 とはいえ出来る事は尽くすし、尽くすのに躊躇が無くなっただけ。


 ただ、私の自己満足の為に《名前削除》で倒すんじゃなくて《捕食融合》で倒していきたい。

 《名前削除》で無にしたくない。《捕食融合》で私と共に生きてもらいたい。本当に私の我儘でしかないし、傲慢的な考えだと思う。


 スマホで距離を確認して最も近い人から捕食していこう。


 スマホで確認した距離を《空間把握》で再確認して《印》を使って座標を保存し、《視覚拡張:印》で視界に《印》の場所を表示し続ける。矢印が表示される感じで

 確認出来てから、《転移》で上空へ上がり、《落下傘》を生成して、矢印の方向へ落下していく。


 ある程度の距離まで近づいてから《転移》で地上へ着地して、すぐに《捕食融合》を発動する。

 驚く女の子は声を出す間もなく私の手に食べられて消える。

 この魔法って質量保存の法則をがっつり無視するよね?私の体もそうだし、相手の体もどっからその肉出来て、どこへ消えてるのか謎過ぎる。これが謎のお肉・・・


 感知系の魔法をすぐに発動させて、彼女の魂を確認する。

 う~ん、大丈夫そうかな。

 まぁそのまま融合しちゃうけど


 よし、思ったよりもスムーズにできたかな。

 こんな感じで不意を突いて、残りも食べていくぞ。

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