無名の魔女 S10
あの時私の中に別の誰かがいた。
誰かの魔法なのかと考えたけど、一瞬で考えをやめる。
なぜなら、願いを使ったから。
私じゃない誰かが私を使って。
じゃあ誰かと言ったら、このゲームを開催した人か関係者。
魔法を覚えた際に私は願いを叶える権利を求めた。
それがなぜか勝利条件のように考えた。
でも、なんかおかしいよね。
違和感を感じ取る。考えて考えておかしな所をすべて上げきる。
・ゲームの目的について
・魔法を覚えてなぜかゲームの勝利が願いを叶える権利と錯覚。
・いつの間にか憑りつく何者か。
・現れる王と呼ばれる世界を壊す者
・アプリの存在
話は変わって私の《逃避》の魔法の代償。
これはまだわからない。ただ、代償は死に戻る時と生きてる状態で使うときで違いがある。
それが目の前にいる私を見て感じた。
目の前の私はどこか疲れた状態になっている。そして、どこか脱力状態にいる。
対する私は疲れも何もない。いつもの私。
通常時は何かしらの力を使っているんだと予想する。
そして疲れた私に憑りつく何か。
コイツが私に憑りつき始めたのは《逃避》を連続使用している時だと思う。
だから多くの魔法少女を相手にしたときに目を付けられてそのまま憑りついてるんだと思う。
そして話を戻して、違和感。
主催者は王の復活を目的としている。
王の復活に願いを叶える権利を利用する。
しかし、主催者にはできず、魔法少女かまたは女の子なら利用可能。ただし条件がある。
それがポイントだったけど、ポイントは何かの隠語なはず。
本当は別の何か・・・私が疲れている様に魔法少女が持つ力が必要?それも一定以上。
だから魔法少女同士殺しあう事でその一定以上の力を集める事ができる。
強い魔法少女に憑りつき願いを叶える権利を獲得し、自身の願いを叶える。
そうするための大がかりなゲーム。
それがこれなのかな?と勝手に予想する。
私の短期間の思考だからどこかおかしな所はあるだろうけど、私の結論はそう。
うん?考えろ私。
「お前は・・・『魔女』か?」
「うん?」
「アハハハ・・・そうか、『魔女』だったか。まさかそちらから接触してくるとはな。どうしたものか、ここで殺るのも勿体無い。冥土の土産に教えてやろう。王は俺自身の復活。星は違えど大して変わらん。お前が俺に教えた後、こいつ等によって殺されかけたがぎりぎりの所で侵蝕が完了し、こいつ等を乗っ取ることに成功した。しかし、俺本体の肉体は滅んだ。だから俺は今度はこいつらを利用して俺の復活をする。お前たちの生み出したシステムを利用してな。システムを完全に乗っ取ることは出来なかったが殆ど書き換えが成功した。感謝するぞ。お前たちのお陰で俺は復活ができる。そしてせっかくだ。この星の支配者になってやろう。この星には誰も支配者が居ない。そこに俺が支配者の席に座っても問題はないだろ?『魔女』」
・・・
何もわかんない。
いや、わかるけど、知らない事ばかりなんだけど。
向こうは勘違いしてるし、新事実多いし。
「さて、ではな『魔女』お前にしては珍しく俺の侵蝕を許すとはな。転生でもしたのか?弱くなってるではないか。まぁいい。お前の力を俺自身の復活に使わせて貰おう」
えっ?
あ・・・
体乗っ取られた?
ど、どうしよう。
相手の名前聞き出そうと思ってたのに名前聞けなかったし・・・
え、えい!
「《名前削除》」
えっ?あっ!
私自身の名前消したけど・・・
えっと・・・どうしよう・・・
私死ぬのかな?
痛み感じないし、まだ意識あるけど・・・
目は開かない・・・うん?目が無いのかな?
なんか開くとは違う状態な気がする。
私今どうなってるの?
元々音っていう音は無かったけど、今は無音のような騒々しいような不思議な状態。
匂いは感じないし風とかも感じない。
ど、どうしよう・・・
私の声で謎発言を繰り出す存在もいないみたいだし・・・本当に死んだ?
今、死後の世界?
うう~困った時の《逃避》~~~!!!




