魔呪少女 S8
何となく説明されて理解した。
私達の居た場所では行われていなかったけど、ここでは〖魔女千戦〗という戦いが行われている。
簡単に言えばデスゲーム。
千人の魔法少女が殺し合い、最後の1人の魔法少女だけが魔女となり望みを叶えられる。
参加方法は人それぞれでスマホのアプリだったり、サイトにアクセスしたり、郵便物としてだったり。
元々魔法少女じゃない子達が参加して初めて魔法少女になり、殺し合いが始まる。
偶に参加していないはずの元から魔法少女の人が参加していてそれが野良魔法少女。
ここにいる人たちの殆どが不本意に参加してしまった子達で、隔離しているらしい。
外は危ないけど、ここは野良魔法少女の子が認識阻害によって安全な場所になっているから、大丈夫なはず。
ただ、そもそも、ここにいない他の参加者については正直もういないと考えていいみたい。
その理由は私も襲われた不気味な魔法少女。
彼女は前回の優勝者で既に魔女になった人。望みで今回も参加しているみたいで、快楽殺人者と思っていい。
あの魔女のせいで殺し合わなくてもこのゲームを終わる手立てが探すにも探せずにいる。
私が助けた彼女も一か八かで色々探っていた子だったけど、結局掴まって拷問に合っていた。
私の事もあれこれ聞かれたけど全部素直に答えてた。
なんかいくつかの質問で疑われたけど、それでもしばらくここにいても良いと言われた。
外へ行ってもいいけど、ここの事は秘密とも言われた。
うん。
簡単にまとめ。
1.ゲームが悪い
2.魔女悪い奴
3.私は自由だけど、ここの事は外で言っちゃ駄目
私はそれならと場所を貰った。
ここは館になってて、庭の一角にある物置小屋。
そこなら誰も気にしないから自由に使っていって言われた。
やる事はここに来た時と変わらない。
ただ、保護膜は無い。
この場所を侵食して子供達が生きられる場所にする。
範囲は広げないで、数は増やさず、一人一人の力を研ぎ澄ませていく。
ここには牢屋のように死臭は無いけど、ここに住んでる子達の悲しい感情が溢れている。
そんなみんなの悲しいを集めて、あの魔女を悲しませる。
そんな子を用意して、魔女を悲しませる。
悪い事をするのはあの魔女。
ここにいる魔法少女は悪い子じゃない。
だけど、ここにいるみんなの悲しいはとても多くて、可愛そう。
可愛そうが多いからそれがあの魔女を襲う。
自業自得。
あと、ゲーム。
ゲームを終わらせないと駄目。
子供を増やすための悲しいはいいけど、それでも悲しいを集める為の相手は悪い魔法少女からしか嫌だ。
悪いのは嫌い。嫌。
だから、この無意味なゲームを終わらせる方法も知らないと。
でも、おかしいな。
魔法少女の力。
それは元から持っている力。
ゲームによって与えられるんじゃなくて、増幅してるはず。
それって契約精霊の役目。
魔法少女もおかしい。
殺し合いしたら、魔法を使えなくなる。
なのに、魔法が強くなるのはなんで?
私の知っている魔法少女の仕組みが異なる。
あの契約精霊が怪しいのはわかったけど、だからって私に何かできるとは思わない。
契約精霊相手に唯一切れる切り札なら一つだけあるから、それはタイミングを伺おう。
今は魔女を倒す。
魔女を悲しませる。
その事だけを意識して、魔女を悲しませる子供を生みだそう。
その為の環境構築と子供の生成は既に考え事をしながら終わらせた。
だから、直接私が強くなる為に教えてもらった方法。
力を研ぎ澄ます。
今まで使っている力を研ぎ澄ました力で行使すれば倍以上効果が変わってくる。
力を研ぎ澄ますのは大事だし、力を研ぎ澄ますのは終わりが無い。
だから無限に強くなれる。
研ぎ澄ますのは言うのは簡単。
行使する時に使う力の余分な力を無くして純粋な状態にするだけだから。
けど、研ぎ澄ませば研ぎ澄ます程難しさはどんどん上がる。
彼は言ってた。
研ぎ澄ますのを極めた先には神のような力になるって。
だから私は短期間でその域に達する。
無理と言われても、不可能と言われても。
悪い事をする人を許してはいけないから。




