第5章
「…いろいろあって、今月の半ばくらいから、私たち道路公園管理局の拠点がとなりのブルティノー=シェロン県に移します」
「電話が繋がらない原因はこうですか…」
「ド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さんも魔王城を守るために尽くしていますよね」
「…記者やらコラムニストやら、もっと華麗なる形容詞を使って欲しいわ」
「成果がないのに勝ち誇ったド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さんの顔を撮らせて頂きます」
「お二人とも私に聞いてください!あの…すごく気になりますから質問します。ド・ルプレイヌ=ド=メさんの背中についているのは宗教的な飾りですか?」
「…話聞いていました?魔王の末裔って言ったはずですわ」
「魔王?おとぎ話のようなことが言おうとしても…」
「マジですわ。あ、その電球、取ってあげましょうか」
少女が部屋の中で飛んでみました。すると、少女が天井とぶつかりました。
「痛っ」
「ド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さん、これはサーカスでしたら、チケット代金返金事案ですよ」
「扱いが酷いよ」
「本当にごめんなさい!家具類は予め搬出したので」
「△…しに行ってきます」
「耳が遠いわ」
「…あ、ド・ルプレイヌ=ド=メさん、私を抱き上げてみませんか」
「いい案ですわ、試してみましょう」
「いい匂いですわ、モチノキの花ですか…」
「もう少し、あ、もうちょっとド・ルプレイヌ=ド=メさんの7時方向で…うわわっ!嗅ぎないでください!」
「いい感じですわ、マルクーセンさんの左手がちょうど電球に届くところですの」
「取れました!」
「おろしますわ。ねぇ、モチノキの花の香水、どこで手に入れていますの?」
「それは…企業秘密です…黒い正装を着て、黒いメガネをかけて、彼女に白い棒光らせたい…」
「スツールを借りてきましたよ、あ、取ったんですね、戻してきます」




