第5章
「そいえば、姫様はまだ翼を登録していないのかしら」
「あっ、ありがとうシンメイさん、行ってくるわ」
「姫様って予定ないのね、ならば今日いっぱいまで付き合ってあげるわ」
「なにそれ、面白そうー」
3人が学生課オフィスに行きます。
「あ、この申請、シティホールで届出証明書をもらわないといけませんよ」
学生課のお姉さんがこう言いました。
「あらあら、姫様、これは行かないとあかんわ」
「翼っちってシティホール嫌いだね、うち、シティホール大好きだよ、子供のごろも△△おじさんのオフィスで遊んでいた、□□課の××姉さんが窓口を閉じて遊ばせてくれたよ」
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である…すべての人間は…」
「あっ、メイっち壊れた」
3人がバス乗降場に行きます。
バス乗降場の前に一人の男の子がタンデム自転車を押したまま立っています。
「リンジャーっち!」
「だからそういう呼び方はやめてって」
「シアナの知り合い?」
「うん、うちの中学校の先輩だ」
「どうも初めまして、僕はジャン=サリンジャー・ベルトードです。」
「私はカクシンメイといいます。この人はド・ルプレイヌ=ド=メ氏のお姫様…」
「ジャンヌ=ユージェニー。ユージェでいいですわ」
「魔王の末裔か、ご高名はかねてから伺っております。」
「ごめん、リンジャーっち、敏感な話題はパスだパスだ」
「大丈夫だわシアナさん」
「ベルトードさんはここで何をしていますの?」
シンメイさんは疑問を感じます。
「ご覧の通りこのタンデム自転車をバスに乗せて回送しようとしています。しかしなかなかバスが来れなくて…」
「あらら、バスは来ませんわ。バス会社の労働組合はストライキの予告をあちこちで貼っていますわ」
シンメイさんは乗降場のサインに指差します。
「あっ、ほんどですね。どうしようかな… (ペイジとアドリーゼのやつめ!3人で乗ってリターンしようと約束したのに…)」
「うっ、うちを無視するじゃないっ!」
「落ち着いてシアナさん…」
「わぉっ!そうだ!私と姫様とバカムシがこれに乗ってシティホールまで行きましょう。これウルフ・ユニ・ヴェロの自転車でしょう、あの店主でしかこんな無駄な自転車をどんどん仕入れして来ますわ。私たちと道筋がいいですわ」
「ほんとですか?それは大変ありがとうございます。今度礼を言いますよ。僕は歩いて帰りますね」
「こら!誰がムシだよ」
「お気を付けください。ベルトードさん」
少女は翼を少しリラックスさせました。




