第3章
「ド・ルプレイヌ=ド=メお嬢さん、起きてください。」
「あ、私、寝た?いまどこ?」
「サン・ゴーティエ・マルゴトン駅の前駅です。」
「ああ、よかった、私、汽車でこんな遠くまで来るのは初めてだから」
「ご用件はわかりませんが、“最初のクレープはいつも焦げている”。」
「朝早く来たのに、冷まさないで…私のことを予習したら、ヤーノスさんも私がサン=エティエンヌ=ブエニ県に来る理由を分かっているはずだ。」
「ユニコーン号のお宝目当てですか?」
「ぜんぜん違う!それに、ここに海ないもん」
Tchi Hauに、女の子たちが働いています。
「メイっち、チャパァクワイってなに?」
「マニアが来たわ…今日の仕入は…サリコルヌでも使おうか」
「『東部大陸語で』連邦の人間って鳥の内臓を食べるのか」
「『東部大陸語で』純粋なシノワ料理を提供したら、リピーターが居なくなるわ。シンカンちゃんも商売にちょっと頭で考えてほしいわ」
「ねぇねぇ、奇妙っち、このシュー・ド・プチを生で食べてみて」
「これ?」
シアナさんがドヤ顔をしています。
シンカンさんが疑惑を感じながらもシュー・ド・プチを口に入れました。
「ブェ」
「はははっ…痛ってば」
「私の妹にからかわないで」
「『東部大陸語で』姉上、あたし、とうがらし持ってきたけど、どこにしまった?」
「『東部大陸語で』調理台の一番右上の棚だわ」
「つまらないなあ、お客さんを呼び込みでも行ってくるね」
「だーめよ、これからシアナに感謝祭が行われるわ」
「手を放してー」
「やられたらやり返せ」




