表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
負の資産魔王城は財産放棄か?民事再生か?  作者: ださいやさい
第6話 前
86/322

第2章

「じゃ、留守よろしくねー」

「いいぞ。お任せだ。お宝探しの時間だ。」

「ぐちゃぐちゃになったら、魔王の末裔の力でシアナさんをぐちゃぐちゃにするわ

「それはご丁寧に、魔王の(La)伯爵(Comtesse)さま」

「魔族の呼び方とは違うわ。まあ、どうでもいいだけど…行ってくる」


「シアナさんに任せて大丈夫かしら…」

少女が躊躇しながらも、魔王城から出ました。


「魔王城のお主に一日密着取材?なにバカげなことしているのかしら?だれが読むの?」

少女がジュール・ラヴォー街道で出会わせたヤーノスさんを無視して駅にたどり着きました。

「サン・ゴーティエ・マルゴトン駅までの1枚ください、あ、学生価格で」


汽車が黒い煙を出して動きます。(Le Wagon )(de )(troisième) (classe)にシルクハットを被って立っている人を抜けて、少女が車両の真ん中にある窓際の席に向かいます。

「魔王の一族はどうしてここに?」

「仕方ないだろう、学生切符が下等列車限定だから」

少女が怒りを発散するとたん、となりが魔女であることを初めて気がつきました。

「魔王は全知全能であるべきで、情熱の美しさ、人生のすばらしさ、そしてあらゆるものの根本を理解するよう、我々を励みべきではないだろうか?しかしこの魔王のお嬢さんは何も教えず、何も知らず、何も期待しない。」

「私、結局魔王の末裔を名乗っているだけで…」


「おっと、おばあさん、行儀悪いですね。」

「ヤーノスさん?それ、私の財布じゃない?」

「ド・ルプレイヌ=ド=メお嬢さん、引っかかっていました?この時代に魔女が存在する確率がゼロに近いことですよ。それにその構文、わたくしが編集に手が掛かったことはあまり忘れられませんね。50冊くらいの本から凝った文ですよ。」

「…これぞル・プティ・ヴィラージュワ新聞の力なのか」

「残念ながらりんごは購読していません」

「…そのネタはもうやめて」


「ああ、次の駅でサン=エティエンヌ=ブエニ県に入るのだから、俺の管轄外だ。君たち勝手に押さえてきて」

上等列車の車両から駆けつけてきた憲兵が折り返して帰りました。


列車が「サン=エティエンヌ=ブエニ県へようこそ」という看板のそばに通り過ぎました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正文をご覧いただきありがとうございます。お気に入ったらブックマーク、評価、感想よろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ