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第10½章 (C)
うちの名はシアナ・グネル。どこにでもいる女子中学生…いえ、もう高校生か。
ご覧の通り、うちたちの目の前にあるのが、適当にペイントされている宣伝語でござる。この街、以前から魔王の支配にされてきたから、ラ・シテとかのところに大きく異なっているんだ。空に飛ぶ竜なんか、最近になってめったに見かけないね。実はうちも一度見たこともない。けど、竜に限らないのなら、黒い翼の子が空に飛べたりする。うちの学年の新入生代表に、魔王の末裔らしい。でも、魔王のくせに、魔力とかがあまりないらしい。にしても、魔導学とかが盛んでいる今って、古臭い「魔法」をスキルとして学ぶ必要性ってある?1人1人の魔力ってしょせんエネルギー会社に匹敵できないから。
「シアナ?私はもう帰るのよ」
「ウイウイ」
うちが想像している妖精さん、また会おうね。




