第2章
魔王城と違って, ティボービルは料理屋が少ないようです。バスがスーパーマーケットやホームセンターらしいの建物の真ん中のアーケードを通ったら,キラキラと光った白いマンションが乱立のように見えてきました。
「翼が痛い…」バスから降りてきた翼を撫でる少女がいます。
「姫様はホンマルに姫様だわ…バスもそんなに長くないのに…雨もやんだのね…姫様は普段どうやって寝ているの?」
好奇心旺盛なシンメイさんが半分畳んだ折り畳み傘を振り回しながら質問を出しました。
「それは…その…うちの布団が柔らかいし…バスと違うの。それに,バスの中で翼を全開したら皆に迷惑をおかけるの」
「迷惑?何でいつも他人ばかり考えているの?他人が代わりに生老病死してくれているのかい?郵便の労働組合もシティホールも税務署も我ら消費者納税人に迷惑を掛けるなんてちっとも考えてなかったわ…姫様は東側大陸すみっこの島の人間に似ているね。」
「シンメイさん?」
「わるいわるい。昔親に連れられてあっちこっちに観光してきたわ。さ、着いたよ、一緒に入るわ」
開放感のあるフェンスがない広い敷地に低いビルが散在します。楕円形の花畑の真ん中に白い玉石が「下ブルティノー市立大学ならびに下ブルティノー市立大学付属ティボービル西高校」という文字が刻まれて立っています.
「オーッ」目がキラキラした少女の傍にシンメイさんがぶつぶつ言う:「このビルからそのビルだと20分も足りないだわ…もう私たち納税人のお金を無駄に仕上がって…」
「そっちのつばさちゃん,きみたち新入生?」一人の男の子が話掛けて来ました。
「俺はダニエル・ペリシエ。ダニエルでいいよ。俺もつばさがあればいいな…」
「私はジャンヌ=ユージェニーだわ。でも、翼はそんなにいいものではないの…」
少女は翼を隠そうとしています。
「それはごめん,失礼,誤って種族差別の言葉を使っじまった,訴えないでくれる?」ダニエルさんが謝りながら説明しています。「この辺の空域は排除済みだよ。学校に申請すれば敷地内で自由に飛べるんだ。」
「よかったね姫様」
「あの辺は法学ビル、その後ろは魔導学ビルだ…あっ、俺時間ないから先にいくぞ、生徒登録はあの看板に沿って」
走り去ったダニエルさんに、シンメイさんが言います。
「いい人だったね、姫様あの子がタイプ?」
「別に」
ドキドキした気持ちは―もちろんありません。
「しかしシンメイさんと一緒にいるとなんとか落ち着く」と少女が思います。