第2章 (5月7日)
3人が騎兵の銅像がある広場を通り抜けます。
「今日もジャン・ジョレ広場を通るぞ、ジャン・ジョレというのは、邪悪なる魔王を倒したこの町の英雄だぜ…」
「違うわ、ジャン・ジョレもこの町出身の社会活動家じゃない?それに魔王はみんな邪悪のわけないの…」
「ああ、翼っちが邪悪じゃない、魔王の末裔だけど、ああ、それも違う…」
「…もうシアナさんに慣れているわ」
「ええ、今日もシアナがつまらないかつ失礼な話をしているわ」
「な、メイっち、翼っち、そっちの銅像を厚い布と糸で結いで、下から炎が燃えてきたら、銅像が飛ぶのかな」
「知るか、けどそれは魔導学に属しない観点と思うわ」
「どうなるかな…」
「シアナの話を真面目に考えてたらあかんだわ」
地面に新聞紙が置いてあるます。5月7日と書かれています。
「地面に新聞紙!これはブルティノー市…いえ、ブルティノー=シェロン県のトップニュースにならない?」
「なるわけないじゃない?バカシアナもいい加減、頭を使おうかしら」
「あらら、これは、レベスクさんの仕業かな。シンメイさんとシアナさんが知っている?最近、ここら辺の新聞はレベスクさんという人が配達し始めましたわ」
「そういったら、配達に来た人は適当なやつという印象しか残っていないな」
「ね、メイっち、翼っち、うち、また考えてきたことがあるぞ、聞いてほしいぜ」
「興味ない」
「むかしの人間って、家は木や石で建てられ、牛や馬で人や荷物が運ばれ、衣服は絹や麻で作られ、船は帆や櫂で推進され、ろうそくやオイルランプで家や町が照らされていたじゃない?それは…」
「私たちの意見がなくても勝手に言い始まったじゃない?」
「シアナさんもちゃんと先を見てほしいわ、前の街路灯にぶつかりそうじゃない?」
「っ痛」
「シアナって頭の上から星がでてこないのね」
「何それ、ってか、翼っち、早く言えばよかったのに…」




