第8章
「…すると…兄上は部屋から飛び出して、そとに出ちゃった。あの夜から、兄上と合っていないんだ。だから、俺、兄上がブルティノー=シェロン県にいるかもしれない噂を聞いたら、チャンスを作って、家の行動機械で走ってきたよ。でも、俺、ブルティノー=シェロン県って全然わからないんだ。上ブルティノー地方とか下ブルティノー市とか…サン=エティエンヌ=ブエニ県に何という町があるのか…サン=エティエンヌ…」
「話がずれているじゃない…」
「ああ、ごめん、ユージェお姉さん」
「ダノン兄さんって、この連邦をにも逃げたいわ。でも、ダノン兄さんが、きっとバンジャマンちゃんのために、隣の県でしか高校に入っていないじゃない?バンジャマンちゃんのためにお金を貯めているじゃない?」
「うん…」
「そういえば、あのお姉さんにぶつかったことを覚えている?」
「そのときは…慌てて逃げちゃって、でも、遠くにいけないことと分かっているのだ。家の行動機械が残っていること…それとも、お姉さんを引いてしまったこと…監獄に行きたくない…」
男の子が泣き出しました。
「あらあら、さっきのライオンちゃんはどこに行ったかしら?大人しいままここで待って、ランク・ル・ブーレイ高の下校時間になって、ダノン兄さんに会えたら、罪を軽減できるように、裁判所で証人としてあげるわ」
「あはははっ、強がりがどこにいった?あのお姉さんは無事だったよ」
「もう、ヴィクトルおじさんっていったら、口が軽いと嫌われるよ、次からネタバレが厳禁だわ」
「おいおい、まって、次なんて望んでないよ。勝手に仕事量が増やされたら、僕も過労になる」
「でも、あのオフィスデスクに…みんな大変じゃない?服が立派で目の隈がない上司として、仕事を分けてもらうのは…」
「部下が僕と関係ないじゃない?ねぇ、お嬢ちゃんよ、いいか、友達だって、同僚だって「あかの他人」よ、次の言葉を覚えておけば、いつだって人生の間違いはしないんだ。」
「…」
「自分には何のメリットがあるのか」
「…」
「あ、この言葉が嫌なら気にしないでほしいな」
「…いいえ、とんでもないわ」




