第7章
「…」
「なあ、ダノンよ、授業ってつまらなくない?俺たちと一緒に学校の外にいけよ」
「…」
「朝から晩までそんなに真面目だったら、このランク・ル・ブーレイ高にくるはずなくない?」
「…奨学金あてで来たのよ、バカに囲まれた環境で読書するのも、なかなかの経験じゃない?」
「俺たちをなめているのか?」
「狼ミミのお兄さんよ、トウモロコシの缶詰めってどこです?」
「はい、お客様。ひとまず食品エリアにお体を移ってください。あちらの看板に、左に曲がって、突き当りから2番目数えた棚です」
「ありがとう、狼ミミのお兄さん」
「へぇー、Dってデュトワというの?」
「そうだぜ、何か文句あるのか?」
「えへへ、スーパーマーケットのネームプレートにDしか書かれていなかったから…それより、バンジャマンちゃん、続けていいわ」
「…俺は、ダノン兄上を一番大事にしているのだ」
「俺たち、生まれてから、小学校に入る時、父と一度も合っていない…喉が乾いた…おじさん、水をください」
「はいはい、ド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さんも凄いじゃないか、これも魔王の力のか」
「もう、種族差別を言おうとしたら、私も容赦なくおじさんを訴えてしまうわ」
「あはははっ、ド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さんも、机くらいの高さしかなかった時にあったら、ヴィクトルおじちゃんと呼んでくれたのに、ド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さんはもう僕のことを覚えているのか」
「お互い様じゃない?私、下の名前はジャンヌ=ユージェニーというだよ。ヴィクトル・ボーフィルお’じ’さ’ん?」
「喉が乾いた!おっせぇなー」
「じゃ、行ってくるよ、ユージェお嬢さん頑張って」
「あのね、私の直感かもしれないけど、バンジャマンちゃんって家出じゃない?ならわがままを言うのは、社会に通じないわ、ダノン兄さんも、大人しいバンジャマンちゃんを見たら、喜んでくれるじゃないかしら?」
「…はい」




