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第6½章
「…ダノンさんと似ているね」
すると、男の子が急に跳ね上がりました。
「兄上を知っているのか!どこにいるか教えてくれ!」
「ド・ルプレイヌ=ド=メのお嬢さんと知り合い?どうして今までずっと無言のまましていたのか?…ああ、暴れてないで、今どうな状態だとしっているのか、補導になる寸前だよ。もし暴れて続けたら、手錠をかけるよ」
「ダノンさんの弟?兄の連絡先をもっているから、ランク・ル・ブーレイ高の下校の時間の後に連絡してあげるわ」
「いやだ!俺は今、兄上を会いに行く!」
「大人しくしないと応援を呼んで坊やを押し倒すよ」
少女が翼を振ります。
「坊っちゃんよ、私と坊っちゃんの付き合いが長くないけれど、強いていえばスーパーマーケットでであって、一回のみ長い話し合いをしたくらいわ。でもあなたの兄は、態度が穏やかで上品な方だわ。昼は高校、夜はスーパーマーケットでバイトしていて、将来、師範学校に入ることも夢見ているわ。だから、ひとまず、坊っちゃんのお名前を教えてくれるかしら?」
「…俺は、バンジャマン・デュトワ・マルタンというんだ」




