第2章
数時間前…
「通報したのは君たちか、お名前と住所と連絡先を教えて」
「ジャンヌ=ユージェニー・五月・ド・ルプレイヌ=ド=メといいます」
「グネル・シアナだぜ。この下ブルティノー市…いえ、全デカポール=サン=エティエンヌ=デ=グレ=ブルティノー地域圏を支配しようとしている野望家だぜ」
「はいはい、君たちは無事だってよかったじゃない?」
「そこの憲兵、こっちが先に移動するよ」
「分かった。あともよろしく」
「憲兵さん、あの行動機械が…」
「憲兵のお兄ちゃんよ、男に見えるの奴が中から降りて、すぐ逃げちゃった」
「そのプレート番号は…サン=エティエンヌ=ブエニ県なのか、盗難被害が届いていないか、あとで警察署に戻ってあそこの警察署に聞いてくるよ」
「翼っち、学校に行かないのか、これから診療所に行って待っても、メイっちに会えないよ。あ、ついでにメイっちの自転車も乗ってあげてきてな、無くしたら、うちも困るぜ」
「…あ…っはい!」
十数分前…
女の子3人が2側に石造建物の挟んだ狭い道で通っています。
「うち、この間、キッチンの作業台に置いたカンの中にある黒い奴を食べてみたら、すごい苦いぞ」
「黒いのは何なのかしら…あっ!バカシアナ、それは烏龍茶の茶葉だわ、食べるのではなく、茶碗に入れてお湯で溶かすのよ」
「木炭のスープを飲むのか」
「それが違うわ」
「烏龍茶…そういえばダノンさんもそういう飲み物を作ったかしら」
「数百年放置されたお肉をシチューに」
「それも違うわ…ダノンって?東側大陸の人間らしくない名前しているのに…」
「どういうのか…トロワヴィルで知り合った…つまり私のバイト先の同僚の同級生だよ…今度シンメイさんに紹介するわ、彼もけっこう東側大陸マニアだわ」
「へぇー、いい人だそう」
「うちもあの、ダノっちと知り合いたいのだ」
行動機械が速い速度で3人に近づきます。
「あっ、シアナ、危ない!」
「なになに?って、痛ってば、これはつけて倍返してやるぞ」
「シンメイさん!シンメイさん!シアナさんがよく見ろよ、シンメイさんが倒れたじゃない」
女の子が通りの真ん中に倒れています。
「シンメイさん!シンメイさん!」
「メイっち、しっかりして」
「あ、やべ、逃げろ」
行動機械から少女たちと同い年の男の人が出て、逃げました。
「逃がさないぞ」
「シアナさん、戻てきて、憲兵さんが処理してくれるから、ひとまずシンメイさんを路肩に運んでこよう!」
「おお!」
「私、そこら辺の公衆電話で憲兵と救護隊を呼んでくるわ」
「了解、メイっち、起きないと、パ〇トを引っ張るぞ」
女の子は返事がありません。




