第8章
「ユージェお姉さん、ここ、シンメイ、頑張る」
「はい?」
「シアナ、頑張らない、シンメイ、意地悪」
「私の妹に真似するじゃない!」
「痛ってば、またおこおこシンメイさんを召喚しちゃった」
「ああ、それのことかしら。それは私が昨晩作ったボードだわ」
「 「私が新入りで、連邦語をあまり話せません。ご注文は指差しでお願いします。」シンメイさんってすごいわ。一晩でこれと連邦語と東部大陸語の入ったメニューボードを作ったのね」
少女が机の上に置かれている手作りの2枚のボードを見て言います。
「それはそうだわ。シンカンちゃんもシノワ料理を作れるし、あさイチから営業できるわ…ここら辺の中学校に編入させたいけど、まだ連邦語が問題だわ。ひとまずお店の手伝いをしてもらうわ」
Tchi Hauのショーウィンドウの前で4人が立っています。
「『東部大陸語で』姉上、安心して行ってきな、このボードがあれば私は大丈夫だわ」
「『東部大陸語で』行ってくるわ。シンカンちゃん、お店とお留守番頑張ってきてね」
「『東部大陸語で』シュウマイ!『連邦語で』奇妙っち、頑張って」
「シアナってたまにノーマルになるわ、いつもこのまま保てば、私も苦労しないし」
「私がシアナさんと共に住んだら、多分私かシアナさんかどちらかが殺人事件の被害者になるわ。シンメイさんも大変だったわ」
「いやーそれほどでもないよ、うちを育ててくれたこの下ブルティノー市にも感謝の言葉を」
「褒めてないわ。それと下ブルティノー市の全市民に謝れ」
少女が翼で低く飛びながら、自転車に乗っているシアナさんとシンメイさんと話します。
「翼っち、ずるーい、うち、翼っちと交換したいな、魔王の一族の力を手に入れて、あっちこっち飛び回って、世界中のシュウマイを食べ尽くすぞ」
「あははっ、シアナさんずいぶんシュウマイ熱心だね」
「バカシアナって、どうしていつもバカなことしか考えないかしら」
「バカをいう奴がバカだぞ」
「あら、シアナって自分がバカだと認めた?」
「バカばかりに群れをなし!」
「ただの共倒れじゃん」