第7章 (5月5日)
5月5日、少女が学校に行く日です。少女は目が覚めました。日が未だに昇っていません。
「今日は起きるのは早かったわ」
少女はボロボロの紙袋から割れた電球の中のタングステン糸を取って、古い電球にいれます。
「昨日は大変だった…よし、ついた、でも暗いなあ…。電球も天国に行ったし…でも、タングステン糸が手に入れているし、マッチとロウソクも無事だったし…まあいいっか、汚れた電球はまた今度交換しよう」
少女はライトを付けます。ライトはタングステンの蒸発で灰色の灯りがつきます。
「いかなるのものも、根拠なしで存在するのではない…」
少女は中学校の社会科で学んだ言葉を語りながら、昨日から残っていた基礎法学の宿題をしています。
「やっと終わったわ。ああ、自転車は…レイトさんの所においてしまった…メモを置いて無しで私の自転車と知っているのかしら…直してくれるのかしら…」
「今日はどうやってティボービルに行くの…そうだ、私の背中の「あれ」が…でも、まだ講習を受けていないの…ああ、昨日ミノさんも…そういえばガルデさんの彼氏も…ここら辺の人間はルールに緩いじゃない?ならば私も…よし、決めたわ」
日が昇りました。少女は部屋着を着替えて、魔王城を出ます。翼を振って、空を飛びます。
「子どもの時に、父にしかられてから一度もこんな高いところまで飛んだことがないの…シンメイさんとの時も人並みの高さくらいでしか飛ばなかったわ…魔王城ってこういう構造なのか、初めて知ったわ…人も行動機械も木も建物も小さい…やはり高くて怖い…」
少女が地面に降りました。
「シンメイさんの所に行こう」
Tchi Hauの上の階の外で、少女が窓を叩きます。
「はーい?...って、ユージェ姫じゃないかしら?今日は朝早いだわ。入ってきてね。玄関ってこっちじゃないわ、次から階段を通って昇ってほしいわ」
「あ、不審者だ、メイっち、早く店の電話を取って通報して」
「『東部大陸語で』どうして朝から騒いだの?あ、『連邦語で』ユージェお姉さん、おはよう」
「『連邦語で』皆さんおはよう『東部大陸語で』シンカンちゃん、おはよう『連邦語で』一緒に学校に行こう」