第6½章
少女がスーパーマーケットを出て、紙袋を持って自転車のハンドルに掛けて、自転車を押して歩いています。
「やばっ、包装が適当し過ぎて割れそう、ダノンさんって賢いけど、仕事をまじめにしていないわ」
少女がオノレ大通りで「止まれ」のサインが「行け」に変わることを待ちます。
「…それは幻想であり、少なくとも私たちの夢である。 この夢は何度も裏切らたが、私たちの小さな世界を遥かに超える博愛のために、私たち全員を結びつけるのに十分な強さを持っている。 しかし、私たちは、個人が尊重される世界が、もろくも崩れ去ってしまうことを最初から知っている…」
ダノンさんがした話は、少女の夢見た不思議なゆめの記憶の欠片を再び起こしてしまいました。
サインが「行け」に変わって、少女が歩き出しました。
この時、横から一台の行動機械が突入しました。
「っきゃ!」
少女が翼を振って、空に飛んで回避しましたが、自転車と紙袋が行動機械に引かれてしまいました。
憲兵さんが来ました。
「ったく、またオノレ大通りかよ、あなたたち、サインが見えないのか?」
「だからサインが紛らわしいわ」
「だからサインが紛らわしいだ」
少女と行動機械に乗った男の人が同時に言いました。