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第3½章
「ね、魔王、法律って大きいなんでも規制屋と思わない?」
午後の授業に、少女の隣に座る顔見知りそうな同級生が少女の翼に指弾きしています。
「私たち、そこまで親しみがないと思うわ」
「例えばね、他人へ指弾きすることが罰則と規定されていて、でもある日、あるお医者さんが患者を救うために繰り返して患者に指弾きする治療法を発明して、規定が改正されていたうちに実践してしまって、患者に訴えられたらどうなる?」
「患者さんがその医者さんが患者の病状を悪化させたり、引き起こしたりする重大な行為を証明しなければならないと思うわ。でも逆に医者さんはそれが唯一無二な治療法と証明できなければ、裁判官が両方への好みによって立場が偏ってしまうことも…」
「魔王の血を流れていれば、他人の人生の医者となる使命がある」
「今日の授業はここまで」
教壇前の先生が立ち去ったから、少女が自分のノートにほとんど今日の授業内容をメモしていないことを始めて気づいてしまいました。
「幻覚かしら?」




