第9章
少女とシンメイさん2人が前に歩いていて、カステラナリスさんがりんご7つくらい後ろについています。
「どうしたの?カステラナリスさん」
「いや、手には右利きと左利きがあるのだけど、足、あるいはド・ルプレイヌ=ド=メさんの翼にも右利きと左利きという分け方があると…」
「つまり利き手じゃない側でナイフを動かす肉屋さんが多く肉を売ってくれること?」
「シンメイさん、一体どうやってその結論を出したのは…」
「だって買い物したら安く買いたいよね?お嬢様じゃないから…もしかしてユージェ姫、市場で肉を買ったことがなかった?」
「スーパーの缶詰めでしか買わない…コンビーフとか」
「こういう点からお嬢様らしいね。売り場の明るさときれいさという実用価値のないことにお金払っていることが」
「ふんふん、さすがにお嬢様方だね。」
「でもジャン・ジョレ広場がイベントしている時にはちゃんと露店で買い物していたし」
「だったら魔王城の税金もお嬢様方のような解決すべきではないか」
「魔王城の税金の話しならお引き取りを」
「カメムシ!カメムシ!カメムシ!」
3人の向かいから小包みをハグしている男の人が走ってきて、少女にぶつかってしまいした。
「あなたは薬局の…」
「ピザ屋の魔王さん?ごめん、頼みごとが…翼、貸してくれない?これ、列車に乗っている難病人へのお薬だ。ブルティノー=ダンボワーズ駅に停車する時間が短いから。走ると意外と近くはないのね。僕ったら、もっと早く調合したら…」
「…うん、やるわ」
「ありがとう。駅についたら駅員さんにきいて、確かにデ・ラ・マーレ方向の機関車から数えて3両目だと思う」
「了解、スカートに目逸らしてね。飛ぶから」
「さてと、税務署の平職員は、シノワの小娘の私になんの要があるのかしら?」
「ふんふん、飲食業は裏金を隠す最適な場だね…」
「しっかり働けよ、役人さんってば!」
「だって帰りたくないんだもん」




