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第9½章
「いつの間に日が暮れたね」
「10限目はほとんど聞いていなかったわ」
街灯が照らした石の小道に、少女が自転車を押しながら、ガルデさんと一緒に歩いて、バス乗降場に向かいます。
「じゃ、あたしはここでバスを待つね」
「バスって動いているの?ストライキ期間中じゃないの?」
「あははっ、心配しないで」
すると、回送と表示される1台のバスが回ってきました。
「クレって遅くない?」
「ごめん、グラン、高校ってこういうもん」
「早く乗って、今はストライキ期間中だぞ、労働組合にばれたらまずいって」
「自分の行動機械で来ればいいじゃん?」
「修理に出しているのだ、ったく」
「カルデさん、いってらっしゃい」
「おーい!そこの翼の女、俺たち、バス車庫に帰るのに魔王城を通るけど、通りがけに降ろしてやるよ、自転車も中に積んで」




